時代遅れでも“名機” 史上最強の複葉機イタリア「CR.42」エース続々輩出の輝かしい戦果

第2次大戦中、主翼が2枚ある複葉機は、一般的に単葉機よりも低性能だったため、各国では旧式機として扱われるのが多かったなか、イタリアでは「史上最強の複葉戦闘機」と呼ばれた機体が使われ続けました。エースまで生んだ“名機”を探ります。

イギリス本土上空戦から夜間戦闘機へ

 こうして、東アフリカ戦線で戦果を重ねたフィアットCR.42型は、1940(昭和15)年秋、新たな戦いの場に駆り出されることになります。同年から始まったドイツ空軍によるイギリス本土航空戦、いわゆる「バトルオブブリテン」に、ドイツの同盟国イタリアも参戦することとなり、その支援として、CR.42型が高性能なG.50型戦闘機とともにベルギーに送られたのです。

 この増援には、イタリア空軍のBR.20型およびカントZ1007型爆撃機も参加しており、それら爆撃機部隊によるイギリス本土攻撃の護衛機として、CR.42は迎撃に上がってくるイギリス軍戦闘機と死闘を演じました。

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1940年秋、ベルギー北部のマルデゲム基地に展開した第18航空群第85飛行隊所属のCR.42型。数の上でも性能の面でも、イタリア航空軍団戦闘機隊の中核を担っていた(吉川和篤所蔵)。

 たとえば同年11月には、イギリス上空でBR.20型爆撃機10機を護衛中のCR.42型42機に対して、「ハリケーン」や「スピットファイア」といったイギリス戦闘機25機が迎撃を実施しています。

 そのシルエットから当初、イギリス軍戦闘機パイロットは訓練中の味方「グラディエーター」複葉機と誤認してしまったほどで、その隙をついたイタリア空軍のCR.42型は、空戦でイギリス軍戦闘機4機を撃墜。その内1機を墜としたジュゼッペ・ルッツィン曹長は、この功績によりドイツ空軍より鉄十字章を授与されています。

 ちなみに、このルッツィン曹長はこのあともCR.42型戦闘機で敵機の撃墜を重ね続け、最終的に総撃墜数5機でエースになっています。

 また同月23日には、イギリス本土海岸地帯の攻撃に出撃したCR.42型機27機が、イギリス空軍の「スピットファイア」戦闘機20機に取り囲まれるものの、20分間の空戦で味方2機を失いながらも敵3機を撃墜、その空戦能力の高さを証明しています。

 なお、CR.42型は空戦において、意外な“強さ”を発揮したとも。それはイギリス軍機が狙いを定めて機銃を撃っても、その弾は突き抜けるだけで大きなダメージを与えられなかったというものです。ここでも、複葉機の布張り構造の意外な利点が発揮されたといえるでしょう。

【真っ黒な機体が特徴】フィアットCR.42の夜間戦闘機タイプ

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