車はどれだけ“重く”なったか 自動車税や高速料金見直しの焦点 軽で1トン超 重いEV
1t超えも 軽くなくなった軽自動車
マツダが2021年冬に「990kg」の特別仕様の「ロードスター」を発売するとアナウンスしています。これは「1989年にデビューした初代ロードスターと同じ重量を、最新型でも実現する」というモノ。いってみれば「約30年前と同じなのは、すごいでしょ」ということですが、逆に捉えれば、クルマは昔よりもはるかに重くなっているといえるでしょう。
軽自動車でいえば、現在のベストセラーカーであるホンダ「N-BOX」の車両重量は890~1020kg。軽自動車でも1t前後の車両重量となっているのです。一方、コンパクトカーのベストセラーであるトヨタの「ヤリス」は、最軽量の1リッターエンジン車で940~970kgと、やはり大差ありません。ただし、N-BOXは軽自動車の中でも最も背が高く、両側スライドドアがあり、軽自動車の中でも横綱級に重い車種です。
では、軽そうな軽自動車はどうでしょうか。スズキの現行「アルト」は、背が低く、軽量さを売りにしていますが、その車両重量は650~700kgです。アルトのライバルであるダイハツ「ミライース」も650~740kg。もう少し背の高いスズキ「ワゴンR」が790~820kgですから、アルトとミライースは軽自動車においても最軽量といえます。
しかし、歴史を振り返れば、昔はもっと軽かったのです。1979(昭和54)年にデビューした初代のアルトは、543ccのエンジンを搭載しながらも、車両重量は545kgと、今より100kg以上も軽いものでした。
さらにさかのぼれば、1960年代に大ヒットした富士重工(現スバル)の「スバル360」は、ネーミング通りの360ccエンジンを搭載し、車両重量はわずか385kg。同じく1960年代に人気を集めたマツダの「R360クーペ」も車両重量は380kg。1960年代前半の軽自動車は、驚くほど軽かったのがわかります。
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