車はどれだけ“重く”なったか 自動車税や高速料金見直しの焦点 軽で1トン超 重いEV

課税は必至? 重い「EV」

 そして、もうひとつの重量増の理由は、安全性です。かつての日本は「交通戦争」と形容されるほど、交通事故による死者の多い時代がありました。日本車の普及は、1950年代後半に始まり、60年代から70年代にかけて大きく伸長しましたが、それにあわせて交通事故、またその死亡者数も激増しています。具体的には、1959(昭和34)年に1万人を突破し、ピークとなる1975(昭和50)年には1万6765人を記録したほどです。

 そうした不幸な交通事故を防ぐために、自動車メーカーはクルマの衝突安全性能を高めていき、それにあわせてクルマの重量は増加していきました。交通安全の啓蒙などとともに、そうしたクルマ自体の安全性向上の努力もあり、2020年は、記録の残る1948(昭和23)年以来、最も少ない2839人となっています。

 最後に挙げる重量増の理由は、電動化です。ハイブリッド車は、エンジンだけでなく、モーターと駆動用バッテリーが追加されています。当然、それでクルマは重くなります。たとえば、2021年11月に発売されたコンパクトSUV「ライズ/ロッキー」のハイブリッド仕様は、エンジン車よりも90kgほども重量が増しているとか。

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日産アリア。EVは概して重い(画像:日産)。

 また、EV(電気自動車)は、搭載する電池が多いため意外なほど重量がかさみます。日産「リーフ」の場合は1490~1680kg。自動車のカテゴリーとしてはカローラと同等であるものの、車両重量は200kgほどもプラスになっています。さらに、日産の新型EV「アリア」の車両重量は1920kgで、全長約4.6mのミッドサイズSUVとしては、かなりの重さです。似たようなサイズのトヨタ「RAV4」は、エンジン車が1570~1630kg。ハイブリッド仕様でさえ1670~1700kgですから、アリアはそれよりも、おおよそ300kgほども重くなっています。

 もっと快適に、もっと安全に、もっと燃費を良く! というニーズに応えて、クルマはどんどん大きく進化し、その結果、どんどん重くなってきたという歴史をたどってきたのです。

【了】

【重っ!】電動車とガソリン車の重量比較あれこれ(写真)

Writer: 鈴木ケンイチ(モータージャーナリスト)

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。

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