2022年の鉄道は「大減便時代」本格到来か 首都圏でも朝の本数削減 外堀埋まる「ワンマン化」

路線系統を分割しワンマン運転へ

 車両やそれを収容する車庫、信号設備、乗務員など、鉄道を動かすためのありとあらゆる要素は朝ラッシュの運行本数を前提としています。しかしこのうち、かなりの部分は朝の1~2時間のための設備ですから、経営効率が悪いのです(それでも社会的な責任があるのでやらざるを得ない)。

 朝ラッシュ時間帯を減便すれば、こうした問題を徐々にですが解消できます。事実、100年ほど前に「通勤ラッシュ」が生まれるまでは、電車は朝から晩までほとんど同じ間隔で運転されていました。テレワークが完全に普及し、ラッシュというものが無くなるのであれば、それはそれで都合のいいことなのかもしれません。

 もうひとつ今後のトレンドになりそうなのがワンマン運転です。JR東日本は3月から、宇都宮線(小山~黒磯)、日光線、相模線、八高・川越線(八王子~高麗川~川越)で新たにワンマン運転を開始。東武も日光線(南栗橋~東武日光)、鬼怒川線をワンマン化します。

 今回のワンマン化は首都圏ローカル線区が対象ですが、JR東日本は昨年12月、2025年から2030年にかけて山手線、京浜東北・根岸線、常磐線(各駅停車)、南武線、横浜線をワンマン化する構想を発表しており、東急も2023年度を目途に東横線をワンマン運転化する計画です。今後は各線で人件費の削減に寄与するワンマン化が進みそうです。

 また運行系統の分割も立ちます。宇都宮線は宇都宮~黒磯間のワンマン化に伴い、宇都宮駅を境に系統を分割し、東京方面~宇都宮間は10両または15両、宇都宮~黒磯間は3両または6両編成での運転になります。常磐線も日中時間帯は土浦駅で系統を分割し、品川・上野~土浦間は10両編成が中心に、土浦以北は5両編成の運行形態となります。利用状況に応じて都心寄りを長編成、末端区間を短編成とすることで車両の運用効率を高めるのが狙いです。

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コメント

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4件のコメント

  1. ロマンスカーVSEの廃車は、経年劣化と車体更新の困難で2023年秋頃と公式発表されています。「観光輸送低迷により大幅減便。秋の廃車」 という記載はいささか正確性に欠くと思います。

  2. ワンマン運転へ、とあるがこのライター枝久保達也は元メトロ社員のようだが、
    メトロは昔からワンマン運転してる路線が複数あることを、まるで無かったように語ってるのはいかがなものか。
    自分のとこは棚にあげてるのか。

  3. 他国では地下鉄が負う分野である都市交通もJRや私鉄といった鉄道が多く分担してしまっており、客を立たせて、見かけ上1人kmあたりのエネルギー消費が少なく算出されていた日本の鉄道であったが、化けの皮が剥がれたか。

  4. 枝久保さん、現時点で藤沢〜片瀬江ノ島の区間便が4両に減車されるかもしれないという個人サイトの予想はあれど、公式には各駅停車が藤沢で分断する以上のソースが見当たりませんが詳しいソースを教えていただけませんでしょうか?