海没F-35Cに中国はどう出る? 現場は南シナ海! 有事へ発展する可能性はあるのか

戦闘機といえば軍事機密のカタマリで、米海軍のF-35C戦闘機もまさにそれですが、よりにもよって中国の目と鼻の先、南シナ海に没んでしまいました。アメリカは当然、サルベージ作業を実施します。これに対し中国はどう出るのでしょうか。

最新鋭艦載ステルス戦闘機F-35C 南シナ海に沈む

「南シナ海は美しく静かな平和な海。アメリカ軍はゴミをポイ捨てしないでいただきたい」

 中国共産党中央軍事委員会の機関紙「解放軍報」が出した声明です。これは南シナ海で2022年1月24日、アメリカ海軍空母「カール・ビンソン」の艦載機F-35Cが着艦に失敗し、パイロットを含む複数の負傷者を出し機体が海没した事故を受けたものでした。SNS上で拡散され、アメリカ海軍も本物と認めたこの事故の画像を見る限り、機体は大きな損傷なく沈んだようです。

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アメリカ海軍空母「カール・ビンソン」に着艦するF-35C(画像:アメリカ海軍)。

 中国が「ゴミ」というF-35Cは、「第5世代」と呼ばれる最新鋭の艦載型ステルス戦闘機で、現在のところアメリカ海軍のみが保有しています。F-35Cは単に直接戦闘任務をこなす最新鋭マルチロール戦闘機というだけでなく、アメリカが目指す新用兵思想である「マルチドメイン作戦」において重要な戦場デジタルネットワークを構成する統合プラットフォームでもあります。現代戦は陸海空+宇宙+サイバー空間の5次元の競争であり、重要なのは機体やエンジン、ステルス技術、武装というハードウェアよりも、情報処理、ネットワーク技術であり内蔵しているソフトウェアです。

 中国は同等レベルの艦載機を持っておらず、アメリカのステルス技術やマルチドメイン作戦能力を探る上でも、本音では「ゴミ」どころか「お宝」と認識していることは間違いなく、庭先に「落とされたお宝」を黙って見逃すとは思えません。新兵器の回収合戦はスパイストーリーでは定番のテーマですが、これが南シナ海、台湾有事の呼び水にまでなる可能性はあるのでしょうか。

中国が主張する「九段線」とF-35C墜落地点

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