ディーゼル不正のリコール対応は「不正と同じことするしか…」日野自の性能試験不正に困惑の声

日野自動車が公表したディーゼルエンジン排ガス試験と燃費性能試験の改ざん問題に、ユーザーであるトラック・バス事業者が困惑しています。その背景に「ディーゼルの規制対応はもう限界」というメッセージも透けて見えます。

型式認証を返上する日野 今後の対応は

 高耐久の装置を開発できなかったのか。それともしなかったのか。日野に「規制値が適合しない可能性」について質しましたが「原因究明と対策立案を検討しています」とだけ回答しました。

 日野は今後、取得している型式を返上し、新しい型式認証を取り直す方向で対応をしていくことになりそうです。その場合、ユーザーは当面をリコール対応でしのぎ、車検時に新型式の車検証と差し替えて実績値と型式を一致させ、新しいメンテナンスで運行することになります。

 規制を達成するための日野の息切れ。今回、中型エンジンとともに発覚した大型エンジンの燃費性能不正では、それがさらに顕著になっています。別稿でお伝えします。

【了】

(画像:日野自動車)。

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Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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コメント

1件のコメント

  1. 不正を起こしたメーカーへのあからさまな擁護記事は喘息公害を産んだ環境汚染への記憶が薄らいだせいもあるのでしょうか。喘息発作に苦しむ一被害者として環境保護や順法意識に欠けた記事に憤りを感じます。