各国でF-35の導入さらに拡大かも? 大軍拡時代のきざしと「いまそこにある戦闘機」

ロシアのウクライナ侵攻を受け、各国で軍拡のきざしが見られます。そうしたなか世界各国の軍隊では今後、日本も配備をすすめるF-35戦闘機の導入が大きく進むかもしれません。その推測に足る根拠を解説します。

大軍拡時代の到来か ドイツはすでに動き出す

 口火を切ったのはドイツです。ドイツは冷戦後、大幅に防衛予算を削減し続け、今年の予算は504億ユーロ、GDP比1.4%でした。ところがロシアの侵攻からたった3日後、2倍の1000億ユーロまで加算することを決定しました。これはGDP比3%前後だった冷戦期にほぼ匹敵し、来年度以降もGDP比2%以上を維持する方針です。

 またほかのNATO(北大西洋条約機構)諸国も、ドイツに続き防衛費大幅増額の方針を明らかにしており、ヨーロッパから遠く離れた日本も、ロシアや中国、北朝鮮と接している以上、防衛費GDP比1%というこれまでの指針を大きく越える必要に迫られることでしょう。

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海上自衛隊の護衛艦「いずも」に着艦した、アメリカ海兵隊のF-35B戦闘機(画像:海上自衛隊)。

 航空分野においてはロッキード・マーチンF-35「ライトニングII」戦闘機の生産が、最も大きな影響を受けるのではないかと筆者(関 賢太郎:航空軍事評論家)は推測します。

 F-35は極めて優れた情報収集能力とネットワークによる情報共有能力を特徴とし、「戦闘機」という機種の概念さえ変えつつある新世代の「航空戦プラットフォーム」です。2022年3月現在、配備状態にある多くの機種をF-35単一で置き換えることが可能であるため、アメリカ空軍、同海軍、同海兵隊ほか航空自衛隊など多くの国ですでに実戦配備が始まっています。また性能向上型の開発も行われており、最低でも21世紀末までは現役であろうことが確実視されています。

 したがって、いますぐ手に入り、高性能でもあるF-35は、大幅な航空戦力の拡張において最も有力な選択肢となるでしょう。実際、ドイツは核爆撃機トーネードIDSの後継機を、F/A-18「スーパーホーネット」からより性能に優れたF-35へ切り替えることが決定しました。

意味は「航空機運用中」 護衛艦「いずも」に翻ったF旗

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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コメント

2件のコメント

  1. 軍事費の何倍もの予算、資材、人財を費やして発展した街や土地が、愚かな指導者の考え一つにより、わずか数日でガレキと化している現実を目の当たりにしている。早急に安全保障の大切を考え直さなければ、同じ事態が自分たちの身の回りに起こることを肝に命じなければ……。

  2. 「戦争によって10の利益が得られるとしても、100の損が見込まれるならば合理的に戦争は発生しえない」という原理は崩れてないです。ロシアの見積もりでは利益の方が大きいと見ているんです。抑止力が機能しないのは合理性が通じる相手じゃないからではなく、世界大戦に繋がる恐れがあるなら参戦しないという判断を西側が取ることが分かったからです。

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