各国でF-35の導入さらに拡大かも? 大軍拡時代のきざしと「いまそこにある戦闘機」

ロシアのウクライナ侵攻を受け、各国で軍拡のきざしが見られます。そうしたなか世界各国の軍隊では今後、日本も配備をすすめるF-35戦闘機の導入が大きく進むかもしれません。その推測に足る根拠を解説します。

「次世代戦闘機」の前に…F-35が大きく数を伸ばす目アリ

 トルコについても、事情が変わりそうです。これまでトルコは、ロシア製地対空ミサイルS-400を導入したことによる制裁から、NATO加盟国であるにも関わらずF-35プログラムから排除されていました。しかしロシアの孤立化が避けられないなか、S-400の相対的な価値は低下すると考えられます。よって、S-400を捨て再びF-35導入に戻る可能性は十分にあり得ます。

 2022年3月現在のF-35生産数は770機。日本、アメリカ、イギリス、イタリア、イスラエル、ノルウェー、オーストラリア、韓国、オランダ、デンマークの10か国で配備が進んでおり、ベルギー、シンガポール、ポーランド、フィンランド、スイスの5か国が導入を決定し、総発注数は約3300機です。恐らくカナダ、ドイツがこれに続き、さらにルーマニア、トルコ、タイ、スペインなどが導入の有力候補となっています。

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空母「ニミッツ」に着艦するアメリカ海軍のF-35C戦闘機(画像:ロッキード・マーチン)。

 また、既存機の後継としてではなく新編成航空部隊としての需要も考えられますから、すでに導入済みの国の追加発注も含めると、数百機単位のさらなる発注を得る可能性が非常に高いといえます。

 もし1000機以上発注が増えた場合、約4500機のF-16(現在も生産中)越えも見えてきます。5000機に達すればF-4と並びます。各国において次世代戦闘機開発計画が少しずつ進んではいるものの、実際に開発の目処が立っているものはほぼ無い状態ですから、F-35がF-16やF-4を上回りアメリカ最多生産ジェット戦闘機となることも十分に考えられます。

【了】

意味は「航空機運用中」 護衛艦「いずも」に翻ったF旗

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

2件のコメント

  1. 軍事費の何倍もの予算、資材、人財を費やして発展した街や土地が、愚かな指導者の考え一つにより、わずか数日でガレキと化している現実を目の当たりにしている。早急に安全保障の大切を考え直さなければ、同じ事態が自分たちの身の回りに起こることを肝に命じなければ……。

  2. 「戦争によって10の利益が得られるとしても、100の損が見込まれるならば合理的に戦争は発生しえない」という原理は崩れてないです。ロシアの見積もりでは利益の方が大きいと見ているんです。抑止力が機能しないのは合理性が通じる相手じゃないからではなく、世界大戦に繋がる恐れがあるなら参戦しないという判断を西側が取ることが分かったからです。

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