100年前の高速電車がいくつも現役!? どれだけ速かった? ことでんのレトロ電車たち

引退してもどっこい現役?

 1000形は登場以来、琴平線で運用され、1967(昭和42)年から更新工事がなされると、志度線、そして最後は長尾線専用電車として使われました。1988(昭和63)年には「鉄道友の会」より「エバーグリーン賞」を受賞。2007(平成19)年まで定期列車として使われたのち、イベント用の動態保存車となります。

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ことでん3000形300号(2019年3月、安藤昌季撮影)。

 2009(平成21)年に先述の近代化産業遺産に認定されましたが、昨2021年に惜しまれつつ引退。現在では仏生山工場にて、可動状態を保ったまま事業用車両となっています。

同い年 3000形300号とは

 3000形300号も1926年製。3000形は日本車両株式会社で300・315・325・335・345号の5両が同年に製造されました。1000形と同様に製造番号が連続した数字ではないのが特徴です。

 全長は1000形よりやや長い14.7m。幅と高さは同じです。外見上の特徴は側扉の戸袋窓が楕円であることで、これは2003(平成15)年に復刻されたもの。1000形と異なり、通常の側窓は角ばっています。また、窓の上下に補強板「ウィンドシル・ヘッダー」があります。

 製造費は3万3750円。現在の貨幣価値に直すと約2.61億円とのこと(1000形は3万5600円なので約2.75億円)。JR山手線のE235系電車が1両1億数千万円程度のようなので、大正時代の電車が高額だったことが伺えます。

 新製以来、琴平線で活躍していましたが、1976(昭和51)年より志度線へ。その後は1000形120号とほぼ同じ変遷をたどります。現在はやはり仏生山工場にて事業用車両となっています。

【約100年前の電車】1000形の車内を見る

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コメント

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2件のコメント

  1.  吊掛式と現代のカルダン駆動式とではモーターの定格回転数に大きなな違いがあります。同時代のモーターでもメーカーによって回転数はかなりのバラ付きがあるので、単にギア比だけで性能を比べることはできません。

  2. 吊掛け式と 後年の カルダン駆動式と
    歯数比だけで比較ですか

    関西で急行運転するためのモハ43でも 2.26
    一般の旧型国電は 2.56 とかだったはず

    吊掛け車で 3.5 などというと
    高速重視の車というより
    むしろ スタートダッシュだけは速いが各停向きの低速域重視な車 と思えますが?

    例えば 吊掛け末期のモーター MT40 と
    文中に出てくる 151系の MT46 やその後の標準となった MT54 の定格回転数など調べてみましたか?

    たしか mt46 900rpmと MT46以後1500rpmとかだったはずで
    概ね 1.6~2倍程度回転数が違うはずです

    つまり この場合の 3.5 ならば
    現代の車換算でだと 歯数比 5.6~ 7 程度の車と言えるわけです

    こんな歯数比の 高速運転向け電車 などありません……