最初は妥協の産物だった? F-14「トムキャット」の30年『トップガン』の最強戦闘機 退役の裏側

2006年の退役後も根強い人気を誇るアメリカ製の可変翼戦闘機F-14「トムキャット」。初代『トップガン』でも空戦の主役として描かれた同機も、実は欠陥エンジンや冷戦終結などにより常に翻弄された波乱万丈の歴史をたどっていました。

ミサイルよりも爆弾積むことが主流に

 アップグレードされたF-14は、それぞれが新造機として生産されただけでなく、A型から改造された機体もあり、B型では48機、D型では18機が新しい「トムキャット」として生まれ変わり、159610号機もA型からD型に生まれ変わった1機となりました。

 こうして、戦闘機としての真の強さを手に入れたF-14「トムキャット」ですが、時代の変化によってその力を試す相手を失います。冷戦の終結によって一番の脅威であるソビエト軍は消滅、空中戦専門のこの機体の存在価値にも疑問がもたれるようになりました。軍事予算の削減によってF-14飛行隊の半数がリストラされ、対地・対空の両方の任務が可能なF/A-18「ホーネット」戦闘機がコスト面で注目されます。

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F-14「トムキャット」の特徴のひとつであった長射程空対空ミサイルAIM-54「フェニックス」。結局、実戦ではほとんど使われないまま、F-14よりも一足早く2004年に運用を終えている(布留川 司撮影)。

 しかし、F-14「トムキャット」はさらなる改良で新しい任務を遂行可能な能力を獲得し、再び存在価値が見いだされました。それが対地攻撃能力を付与する戦闘爆撃機への転身でした。この戦闘爆撃機への能力向上を果たしたモデルは、爆弾の「ボム」と「トムキャット」を掛けたあだ名として「ボムキャット」と呼ばれたとか。

 もともと機体が大きかったF-14「トムキャット」は、対地攻撃もできる長距離飛行能力と、爆弾を詰める十分なペイロードがありました。アメリカ海軍はトムキャットのアビオニクスを改修し、誘導爆弾を運用するためのAAQ-14「ランターン」ターゲティングポッド搭載。運用するすべてのF-14を“ボムキャット”仕様に改修しました。

 ミサイルではなく爆弾を積んで飛ぶF-14は、映画『トップガン』の姿とはまったく異なりますが、長距離攻撃機としては非常に優秀であり、2001(平成13)年のアフガニスタン戦争や2003(平成15)年のイラク戦争では数多くの爆撃任務を行って活躍します。

【写真】最後まで飛んでた F-14「トムキャット」159610号機のディテールアップ

『トップガン』の戦闘機大特集 F-14やF/A-18…徹底解説!

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