「トンネル」ではない? 地下に光が差す“半地下トンネル”の役割
地下を通るのに、地上に向かって穴が開いていて光が差し込むという構造のトンネルが増えています。なぜでしょうか。
半地下トンネルそれぞれの役割
地下トンネルなのに、上部に穴があいた「半地下」構造のトンネルが近年いくつか見られます。トンネルなのに、ドライバーの目には光、影、光、影……というふうに映り、場所によっては雨にも打たれます。
関東ならば、代表例に2018年に開通した外環道の千葉県区間が挙げられます。約10kmもの半地下区間は国内最長です。関西では、2013年に開通した阪神高速2号淀川左岸線 正蓮寺川トンネル西側の入口付近(島屋出口付近)が同様の構造です。
正蓮寺川トンネルの場合は、地上から半地下区間を経て、穴が空いていない“トンネル”へと進んでいきます。半地下区間はなぜ設けているのかと阪神高速道路に聞いたところ、意外な回答が。「あそこは“トンネル”ではないんです」とのこと。
「あの半地下区間は、上から掘ってつくった『掘割』です。地上と地下トンネルの中間的なところで、掘割の上にいくつもの梁を渡しています」(阪神高速道路)。
外環道の千葉区間の場合、内・外回りで2本並んだ地下トンネルの中央側(ドライバーから見て右側)上部に“スリット”と呼ばれる穴が連続して設けられていますが、NEXCO東日本や国土交通省も「トンネル」とは呼ばず、「掘割スリット構造」と呼称しています。
とはいえ、同様の構造を持つ東京・環八通りの練馬トンネルや練馬春日町トンネルは、「トンネル」とする銘板も出入口部に掲げられています。案内としては、「トンネル」の方が分かりやすいのでしょう。
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