ショーケースの最新戦車は「古い革袋」? 2022年の各社新型戦車コンセプトを総括!

2022年、欧米の戦車メーカーから新型のコンセプトが次々と発表されました。いよいよ次世代戦車のカタチが見えてきたかと思いきや、フタをあけてみたらそこまで革新的なものではない、というのが実情のようです。

そのまま実用化はムリ! では何がしたいの?

「守」の面も目新しいものがありません。レーダーで対戦車弾を検知して迎撃するというアクティブ防御システム(APS)を搭載していますが、現在、西側で実用化されているのはイスラエル製「トロフィー」とラインメタルの「AMAP-ADS」で、大掛かりな機材と電力を大量消費するという問題を抱えています。

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独クラウスマファイ・ウエッグマン(KMW)と仏ネクスタの合弁会社であるKNDSが出品したEMBT、砲塔がいかにも未来的。KF51のライバル(画像:KNDS)。

 EMBT、KF51、「エイブラムスX」はいずれも、メーカーの夢をいっぱい詰め込んだ未来戦車のデモンストレーターであり、コストは度外視されています。もし注文したらどんな値段になるのか、想像もつきません。現用の第3世代戦車でも十分高価です。結局、「お金」が一番の問題です。各メーカーも、これらデモンストレーターがそのまま採用になるとは信じていません。

 このように、「新しい酒」にふさわしい「新しい革袋」が無いのは、冷戦終結後の非対称戦向けに軽薄短小装備へ投資して、戦車のような重厚長大装備に見向きもしなかった「失われた20年」のツケともいえます。狙いは、とにかくインパクトのある実車を展示して「うちは戦車が造れます」とアピールするのが目的のように見えます。本当の意味の次世代戦車は、まだ想像図の域を出ません。

「新しい革袋」ができるのは先の未来になりそうですし、その時に入れる「新しい酒」がどんなものになっているのかはわかりません。

【了】

【画像】各車コンセプト比較表とKF51「パンター」の砲塔のデカさがよくわかる1枚

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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コメント

3件のコメント

  1. GDLSの社員もやれるだけ詰め込んだから機能の取捨選択は陸軍に任せるという趣旨の発言してましたよね。

    機関に関してはガスタービンの利点を生かしつつディーゼルエンジン並みの燃費を実現しているのはいいと思います。センサー類への給電もできるでしょうし。

  2. そもそも戦車とか高価な兵器とか、無くて済めばそれにこしたことはなくて…

  3. レオパルト2もM1も元々1500馬力だったはず。

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