“サンライズ”より豪華だった? 寝台特急「瀬戸」人気列車の50年 「出雲」との出会いは

「オハネフの宿」で再会できる?

 1977(昭和52)年、「瀬戸」は20系から最新鋭の2段式B寝台車24系25形に置き換えられます。寝台車の居住性は向上しましたが、編成は電源車1両、B寝台車13両のモノクラスとなります。

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香川県観音寺市で開業を控える宿泊施設「オハネフの宿」。寝台特急「瀬戸」でも使われたオハネフ25形がベースだ(2022年9月、安藤昌季撮影)。

 1988(昭和63)年に瀬戸大橋線が開業し、「瀬戸」は東京~高松間の寝台特急となります。ダイヤは東京21:05→高松7:36、高松20:32→東京7:09となりました。

 瀬戸大橋の開業ブームにも関わらずB寝台車のみの「瀬戸」でしたが、1990(平成2)年にようやくA個室寝台車1両、ラウンジカー1両が連結されます。JR化後の個室寝台車だけあって、A個室寝台車は、ビデオモニターや共用のシャワー室も備えた快適な車両でした。寝台はギャッジ式でレール方向の寝台の片方がせり上がり、寝ながら景色を見られました。

 ラウンジカーは幅2.5mの広々とした側窓を備え、共用シャワールームも備えていました。なお、一部の車両にはパンタグラフを備え、サービス電源を架線から得ていました。

 1998(平成10)年、「瀬戸」は現行の285系電車に置き替えられ“サンライズ”となり、電車化によるスピードアップも行われます。285系投入時のダイヤは東京22:00→高松7:27、高松21:26→東京7:12で、ほぼ現在と同じです。登場から24年、そろそろ後継車両の話が出てくるでしょうか。

 ところで香川県観音寺市では、「瀬戸」でも使われた寝台車を用いた「オハネフの宿」が開業準備中です。ここで使われているオハネフ25形は、JR九州でアコモデーション改善が行われていますが、開放形2段式B寝台車としてほぼ原形です。車両公開も行われているようですので、ありし日の「瀬戸」を体験できる絶好のスポットといえるでしょう。

【了】

【写真】現役時代の「瀬戸」A寝台を見る

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Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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