“動く古民家”列車で秘境駅へ! 料理も調度も凝りまくり「四国まんなか千年ものがたり」

JR四国の観光特急「ものがたり列車」として、2017年4月にデビューした「四国まんなか千年ものがたり」。多度津から善通寺、絶景で知られる大歩危峡などを経由します。車両のつくりや車内の食事なども魅力豊富でした。

スイッチバック秘境駅も通る

 琴平駅出発後、列車では事前予約者へ食事が提供されます。ランチョンマットは「そらの郷紀行」が香川の「讃岐のり染め」、「しあわせの郷紀行」が徳島の「しじら織り」です。スプーンやフォークを置くカトラリーレストは「庵治石」とこだわりが見られます。

 なお、この列車では予約していなくても飲食が楽しめます。メニューは豊富で、アルコール類が13種類あります。なかでも8種類の地酒から3種類を選べる「香川漆器で味わう3種飲み比べ」は、漆器が人間国宝・山下義人氏の作品であり、その舌触りも心地良いです。

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秘境スイッチバック駅、坪尻(安藤昌季撮影)。

 ほかにもノンアルコールが14種類、「徳島名物フィッシュバーガー」「西山食品店の焼き豚 サラダを添えて」「さぬきのオイルサーディン」といった軽食・おつまみが9種類、デザートが4種類と、あたかも本格的な食堂車にいるようです。

「そらの郷紀行」は途中、讃岐財田駅、坪尻駅、阿波池田駅、三縄駅で運転停車し、ホームにも降りられます。特に坪尻駅はスイッチバックでも知られる秘境駅で、普通列車すらほぼ停車しないため、特別な体験ができます。列車は香川県の里山から徳島の山奥に入り、筆者は大歩危峡の絶景に目を奪われました。

「千年ものがたり」の名前の通り、沿線は1200年の歴史を持つ善通寺や、「こんぴらさん」として知られる金刀比羅宮の門前町、平家落人伝説の残る祖谷地方と歴史を感じさせる地域です。おもてなし、車窓、車内デザイン、食事など、見どころ豊富な列車であり、2時間の乗車時間はあっという間でした。

【了】

【写真】「胎内へ回帰したような」列車内の様子

【鉄道特集】往年の名車、活躍中のエース どんな車両? 国鉄時代の思い出も

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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