「キエフの幽霊」いたの? 韓国産“4.5世代機”ってどうなの? 22年話題になった戦闘機3選 噂の真相

ウクライナ軍の士気高揚に貢献したロシア機

 第2位は実戦での活躍によって再評価された機体、ロシアのMiG-29「フルクラム」です。1977年に初飛行し、1982年から量産されて、その後はソビエト連邦だけでなく、当時の東側陣営の多くの国々に輸出されました。

 しかし、このMiG-29は前線戦闘機として運用することを想定し、簡素な小型戦闘機として開発されたため、同時期に開発されたSu-27「フランカー」よりも兵器や燃料の搭載量で劣っていました。このため、ソビエト連邦崩壊後のロシア軍ではSu-27とその後継モデル(Su-30~35)が主力となり、海外輸出でもMiG-29のセールスは低調となっています。いくつかの後継機が開発されましたが、最新のMiG-35もロシア空軍で少数が採用されたのみで終わっています。

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ウクライナ空軍のMiG-29「フルクラム」。ウクライナ空軍のMiG-29はモザイクパターンの迷彩塗装が施されている(画像:アメリカ空軍)。

 ある意味で、過去の機体になりつつあったMiG-29ですが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻時のある出来事によって、再び脚光を浴びることになりました。それはウクライナ空軍でのこの戦闘機の勇戦と、それが元になった「キエフの幽霊」の存在です。

「キエフの幽霊」はウクライナ空軍のとあるMiG-29パイロットに付けられたあだ名です。この名前は「開戦初日の30時間で6機のロシア軍戦闘機を撃墜」という勇ましいエピソードとセットでSNSを中心に世界中へと拡散しました。相対的な戦力で圧倒的に劣勢だったウクライナ軍にとって、「キエフの幽霊」はロシアに対する反抗の象徴となったといえるでしょう。

 ただ、時間が経つにつれ、これが都市伝説の類であることが露呈します。最終的にウクライナ軍自体も「キエフの幽霊」が実在しないパイロットであることを認めましたが、開戦初期のメディア戦略では当のウクライナ側もこれを積極的に利用しており、その存在はMiG-29と共に世界中に知れ渡ることになりました。

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