【空から撮った鉄道】「日本一短い新幹線」は日本一海に縁があった 開業日と翌日の西九州新幹線

2022年9月23日、武雄温泉~長崎間に全長約66kmの西九州新幹線が開業しました。この「日本一短い新幹線」の空撮は、開業日と翌24日に実施。空港管制圏内を考慮しながら「かもめ号」を追いました。

この記事の目次

・地上時代の長崎駅は撮れずじまい
・開業日は雲行きが怪しい…
・長崎空港や大村基地の管制圏内
・旋回するうちに新幹線を逃しやしないか…
・トンネルから現れたその瞬間 「かもめ9号」ついに収まる

【画像枚数】全21点

地上時代の長崎駅は撮れずじまい

 新年、明けましておめでとうございます。2023年も『空から撮った鉄道』を宜しくお願い致します。新年最初の話は、開通して間もない西九州新幹線です。どうぞお読みください。

 西九州新幹線は武雄温泉~長崎間の約66kmを結ぶ日本一短い新幹線路線で、全列車がN700S系6両編成の「かもめ」で運行されています。九州新幹線の新鳥栖までつながる予定ですが、現在は暫定的な開業となっており、武雄温泉駅にて在来線特急「リレーかもめ」と同一ホーム乗り換えを行うことで、博多~長崎間を2つの列車で結んでいます。

 なぜ全線開業せずに乗り換え措置となったかは、既に報道でも取り上げられているので、この記事では空から見る新たな新幹線路線の光景をお伝えします。

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新大村~諫早間。新大村駅を発車した「かもめ9号」を追い、大村線と別れる付近の住宅街で、車両の疾走感とディティール表そうと、並走しながら流し撮りをしてみる。「かもめ」のひらがな表記、腰下の赤色塗装、細い赤ラインなど、東海道・山陽新幹線を走るN700Sと同じ車体ながら随分と印象が異なる(2022年9月24日、吉永陽一撮影)。

 長崎県内の空撮は10年ほど前にチャンスがありましたが、当時は天候不良で計画が流れ、未撮影の地域です。行き止まり式の地上駅であった長崎駅は魅力的でしたが、「長崎新幹線の開業にあわせ駅も高架化する」と聞き、高架化後ではないと写真が使用しづらく、費用対効果を考え、“長崎新幹線”の開業まで待つことにしました。やがて長崎新幹線は正式名称を“西九州新幹線”としました。

開業日は雲行きが怪しい…

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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