斬り合いなんか不要に? ガンダム鉄板ネタ「ミノフスキー粒子」がなかったら ホワイトベース墜落か
意外に“近眼”? モビルスーツのセンサー
なお、モビルスーツが携行する兵装は、目視での光学射撃を前提としたマシンガンやバズーカが多く、こうした精密誘導攻撃に対応するようにはできていません。ジオン軍の主力モビルスーツ「ザクII」のセンサー有効範囲は3200m、地球連邦軍の高性能モビルスーツ「ガンダム」でも5700mです。
また、モビルスーツのビームライフルやビームサーベル、搭載核融合炉(核爆発をIフィールドで封じ込め小型化しているという設定)は、『ガンダム』世界での設定「ミノフスキー物理学」を応用したもののため、使用不能になる可能性もあるでしょう。地球でホワイトベースに「ミノフスキー粒子の無効化手段」を使用したら、船体が地上に落下するかもしれません。
「敵味方の戦闘がひとつのTV画面内に収まるように」という、作画上の理由から生まれたミノフスキー粒子によるレーダー無効化設定。ミノフスキー粒子が無効化された世界での戦闘はあまりにも味気なく思えることから、こうした設定を作ったことで逆に作品の魅力アップにも貢献したといえるのではないでしょうか。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
現実を見て。