実はほぼ「乗れない」!? クロスシートが売りの京急1000形1890番台 そのワケとは
品川折返しでもクロスシート ただ、進行方向とは逆
6時26分、列車は横須賀中央駅に停車。大量の乗車があり、4両編成の「モーニングウィング3号」はほぼ満席となりました。品川7時27分着と、到着が早い列車でもかなりの需要があるのは、快適性ゆえなのでしょう。
金沢文庫駅の手前で、進行方向右側に増結する2100形8両編成の姿が見えました。なおこの日は別の「Le Ciel」も留置されており、行先表示は「快特 品川」でしたがロングシートモード。やはりクロスシートモードなのは「モーニングウィング3号」と、その折り返しの特急だけのようです。
金沢文庫駅で「モーニングウィング3号」は12両編成となりました。ただし、「Le Ciel」の側扉は開きません。6時52分発の上大岡駅(横浜市港南区)には4分ほど停車しましたが、やはり側扉は開きませんでした。
朝ラッシュ時であり、停車駅は少ないものの都心に近づくと速度は上がりません。横浜駅を通過した後はJRと並走しますが、昼間では悠々と抜き去る京浜東北線や貨物列車と競走していました。それでも京急川崎、京急蒲田といった快特停車駅を全て通過し、7時27分の定刻に「モーニングウィング3号」は品川駅に到着しました。
「Le Ciel」は、折り返し品川7時35分発の特急(702C)三崎口行きに連結されます。増結車の扱いで、京急川崎駅までしか乗車できませんが、慣れている乗客は、進行方向と反対に向いている「L/C腰掛」を回転させ、進行方向に向けて座っていました。
京急川崎到着は7時48分着。現状「Le Ciel」がクロスシートで走るのは、以上の2本のみです。
土休日に昼間の快特で、クロスシートでの運用を期待したいところですが、座席数の少なさがネックなのでしょうか。素晴らしい新型車両だけに、乗車機会の増加を期待したいものです。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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