ああ、空母サンパウロ沈んじゃった… 思えば退役前から問題だらけの艦だった?

ブラジル海軍の旧空母「サンパウロ」。処分の方法をめぐって紛糾し、ブラジル沖を漂っていましたが、ついに同海軍の手で沈められてしまいました。思えばこの艦は、就役当時から問題続きでもありました。

問題頻発で予想以上に高い買い物に!

 まず2005年5月同艦で火災が発生しました。原因は蒸気パイプラインの破損で、修理により約4年間、艦隊を離れます。この後、同艦は事故の損傷修理と近代改修のため、2010年まで断続的にオーバーホールを繰り返すこととなります。

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補給艦マラジョと空母「サンパウロ」(画像:ブラジル海軍).

 近代化が行われた後も、エンジン、推進シャフト、カタパルトなどで不具合が頻発し、老朽化したパーツのスペア不足にも悩まされます。そして2012年2月に再び大規模な火災が発生。以降同艦はほとんど任務につくことがなくなり、スポーツの世界でいうところの、鳴り物入りで入ったにも関わらず、故障続きで実績を残せなかった助っ人外国人選手のような状態になります。

 それでも当初ブラジル海軍は同艦を2039年まで使う予定でしたが、修理や改修で莫大なコストがかかることが判明し2017年2月14日、海軍は近代化計画を打ち切り、運用終了を発表し、解体することとなります。

 退役後は前出の通り、2022年8月にアスベスト問題でトルコが受け入れ拒否すると、3か月ほどブラジル沖を漂流。同艦を沈めることに関しては、環境団体が猛抗議し、ブラジル連邦検察庁も、環境汚染を防ぐため沈没の不許可を裁判所に求めました。しかし、ペルナンブコ州の裁判所は、損傷が確認され、安全な航行ができない元空母を曳航しているタグボート乗組員の命を危険にさらすことはできないとして、要請を退けました。

 また、ブラジル国内で旧空母の今後を巡って、激しく論争が続く最中の1月31日、サウジアラビアの会社が同空母を3000万レアルで買い取りたいと提案したという報道もありました。そのためブラジル海軍は、自沈計画を一時中断しましたが、同艦の浮力と安定性に問題が発生していたこともあり、具体的な交渉には入らなかったようです。

 実は同艦の姉妹艦である「クレマンソー」も、1997年10月に退役したにも関わらず、アスベストの問題でたらいまわしにされ、2009年2月にイギリス北東部のハートルプールの造船所で解体が決定するまで、フランスのブレスト港に長らく置かれていました。姉妹艦も、それと同じ道をたどったことになります。

【了】

【写真】実は姉妹艦もたらいまわしだった! ブレスト湾に放置された「クレマンソー」

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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