『紅の豚』に出てくる「伝説のエアレース」とは? "水上機”の世界最速競争 世界の軍も全面協力
当時は技術の問題で水上機こそが最強だった!
また、『紅の豚』に登場する航空機はことごとく下駄履き(フロート付き)の水上機や飛行艇になっていますが、これも戦間期の特徴を物語っています。
第1次世界大戦後は、航空機に引き込み式の降着装置が定番化される前でした。くわえて滑走路の舗装技術も未熟だったせいもあり、衝撃の少ない海上を離水する水上機の方が、高性能な機体を作れるという考えがありました。
「シュナイダー・トロフィー・レース」も、そうした“水上機こそ最高性能の飛行機”という時代に行われたレースだったため、飛行機メーカーに軍が全面協力することも珍しくありませんでした。『紅の豚』の時代に最強を誇ったカーチスはアメリカ軍が強力にサポートしており、他国も軍が本気にならなければ勝てないとなり、各国の威信を賭けたレースに発展していきました。
ちなみに、1925年にアメリカ・ボルティモアで行われたレースでカーチス R3C-2を操縦して優勝したジミー・ドーリットル中尉(当時)は、後に、日本を初空襲するドーリットル中佐その人です。
同レースは、同じ航空機メーカーが3大会連続で優勝すると、トロフィーをそのメーカーの永久保存とし、レース自体も閉幕することになっていました。そのレースを1927、1929 、1931年と3連覇し、終わりにしたのが、第2次大戦時のイギリス戦闘機「スピットファイア」シリーズの製造も手掛けたスーパーマリン・エイヴィエーション・ワークスでした。
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Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)
ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。
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