「新横浜の私鉄」誕生まで60年もかかったワケ【後編】 ラブホ街に交錯した市と3私鉄の思惑

相鉄・東急新横浜線の開業により、新幹線を含め5社局5路線が乗り入れるようになった新横浜駅。後編では長らく私鉄が通らなかった理由について、バブル経済の頃から見ていきます。

そういえば西武はいずこへ…?

 この間、新横浜への投資を積極的に進めてきたはずの西武グループが登場しないのは、2004(平成16)年に西武鉄道株の名義偽装事件が発覚し上場廃止となり、グループが再編される大騒動の最中だったからです。

 西武グループは2006(平成18)年にプリンスホテルと西武鉄道を中核とする西武ホールディングスを設立。2014(平成26)年に再上場を果たし、10年を費やしてようやく経営が正常化します。

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西武鉄道の座席指定列車「S-TRAIN」。西武線直通電車は新横浜へは行かないが、横浜・みなとみらいへの需要を見据える(画像:西武鉄道)。

 2013年に地下鉄副都心線を介した西武池袋線と東横線との相互直通運転が始まると、土休日に座席指定列車「Sトレイン」を設定、西武横浜ベイサイドきっぷの発売など、横浜・みなとみらいを重視した営業施策を推進。ただ東急新横浜線との直通運転は「横浜駅方面と比べて利用が少ない」として見送りました。

 新横浜事業にも変化が見られます。コロナ禍でホテル・レジャー事業の経営が悪化したため、資産を保有せず運営に特化して機動的な経営を目指すアセットライト化を進めることになり、新横浜西武ビルを売却し、新横浜スクエアビルは証券化。一方で新横浜プリンスホテルは売却対象から外れ、2017(平成29)年に子会社化した横浜アリーナとともに新横浜事業の中核を担い続けることになりました。

 横浜市と相鉄、東急、西武の思惑が交錯しつつ、40年をかけて実現した新横浜線ですが、コロナ禍と沿線人口減少の影響で需要予測が3割引き下げられるなど先行きは不透明です。またリニア中央新幹線開通後は、横浜から名古屋、大阪方面は品川乗り換えが最速となるなどの変化が生じます。新たな時代に向けて、街と路線がどのように変わっていくか楽しみです。

【了】

【路線図】全部実現してたらすごい!? 答申第18号の計画線

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