「飛行機+潜水艦」本気か!? 見果てぬ「潜水機」の夢 米ソが構想 実際つくったヤツもいた!

空中と海中を自在に往来できる“空飛ぶ潜水艦”。夢のような乗りものですが、実用化されたことはありません。ただしソ連とアメリカでは構想があり、アメリカでは過去、個人の技術者が完成させています。どのような代物だったのでしょうか。

さぁ完成 スペックのほどは

 米ソとも軍は潜水機を諦めるのですが、これで話は終わりません。なんと、アメリカのラジコンファンが実際に個人で作ってしまったのです。

 海軍タービン機関試験所で働く技術者のドナルド・V・リード氏は、RFS-1「Flub」という“空飛ぶ潜水艦”を作ります。小型1人乗りで軽飛行機用の4気筒65馬力ライカムエンジンを搭載し、水中での推進力は1馬力の小さな電気モーターでした。機内は水密ではなかったので、操縦士はスキューバギア(ダイビング機材)を装着しなければなりませんでした。

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アメリカ海軍が1960年代に構想した潜水機(画像:アメリカ海軍)。

「Flub」は1962(昭和37)年に初飛行します。高度約20mまで上昇し、速度は約97km/hに達しましたが、飛行距離は約30mでした。この時はまだ潜水できませんでしたが、1964年に潜水にも成功し、最大深度は約3.6m、速度は2ノット以下を記録しました。「Flub」は特許出願の要件も満たしており、長年の夢実現に前進するかとも思われましたが、海軍も空軍も関心を示しませんでした。

 それから40年あまり。アメリカ国防高等研究開発局(DARPA)が2008(平成20)年、潜水飛行機の提案依頼書(BAA)をリリースしました。潜水艦から発進し、目標近くまで飛行ののち着水潜水、海岸まで要員を送り届け沖合で潜水待機し、要員を収容して離脱するという特殊作戦要員の潜入用です。

 これを受け、2010(平成22)年にはカーデロック社が、翼長30mの三角翼、双発ターボファンエンジンと水中推進用に格納式電動スラスター1基、乗員2~6名の機体の案を提出し、実現可能であるとしています。

 潜水機とは夢のある乗りものですが、飛行機と潜水艦に求められる技術は全く別物であり実現は困難そうに見えます。しかし21世紀になってもその夢は無くなっていないようです。技術の進歩で実現できるかもしれませんが、ニーズとコストが見合うかは別問題でしょう。

【了】

【エイみたい!?】ソ連で発案された“空飛ぶ潜水艦”

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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