「世界で最も深くに沈む船」とは? タイタニックの比ではない深海で発見 実は戦艦大和と縁
実はもっと深い場所に沈む船が存在する?
日本海軍との遭遇戦となったこの海戦で同艦は、所属していた第77任務部隊第4群第3集団(タフィ3)の要である護衛空母を守るため、戦艦「大和」を含む大型艦の砲撃の中、積極的に前に出て盾になりました。その間も果敢に砲撃を行い沈没したことから、アメリカ海軍では「戦艦のように戦った護衛駆逐艦」と称えられ、伝説的な扱いを受けています。
また、その称賛は艦そのものだけではなく、乗組員にも送られています。後部5インチ砲塔担当のポール・H・カー兵曹は325発もの砲弾を発射し、最後の一発を抱えたまま戦死したという勇敢さを称えられ、オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートの1艦が兵曹にちなみ「カー」と名付けられたこともあります。
実は同艦の沈没場所が特定されたのは2022年6月25日、割と最近のことです。探検家のビクター・ベスコボ氏が、潜水艇を提供した企業カラダン・オーシャニックとの共同探査で明らかにしました。
ちなみに、同艦以前に1位だったアメリカ海軍フレッチャー級駆逐艦「ジョンストン」に関しても、このチームが、同じ海域の水深6500m地点で発見されています。さらに「サミュエル・B・ロバーツ」「ジョンストン」と同じくサマール沖海戦で沈んだ護衛空母「ガンビア・ベイ」は、もっと深い場所に沈んでいるとされており、2023年現在調査が続けられていますが、未だ発見には至っていません。
なお、「サミュエル・B・ロバーツ」が沈んでいる地点は約700気圧の圧力がかかることになります。これは小指の先に軽自動車1台くらいの重さである700kgの荷重がかかっているのと同じです。調査に使われた有人潜水艇「リミティング・ファクター」は、水深1万4000mまで耐えられる設計になっているそうですが、困難を伴う探査であるのは間違いありません。
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