宇都宮LRTが横断! そこは「陸軍飛行場」だった 80年前にあった鉄道&今も残る遺構とは

75年ぶりに新規開業した路面電車として注目を集めている宇都宮のLRT。その鉄路が伸びる工業団地はかつて飛行場でした。同地に赴いてみたら、終戦から80年近く経った現在も遺構を見つけることができました。

わずか3年しか使われなかった専用駅の遺構も

 また、かつて東北本線の宝積寺駅からは、物資や人員の輸送を目的として、軍用線が敷設されていました。宇都宮陸軍飛行場および宇都宮陸軍航空支廠に隣接して設けられていた鐺山駅まで伸びていた総延長約11.7kmの鉄路は「宇都宮陸軍航空廠線」といい、1942(昭和17)年1月に建設が始まると、わずか10か月後の11月には早くも完成し、同月より列車の運転が始まりました。

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現在の宝積寺駅。画面右側から宇都宮陸軍航空廠線が伸びていた(咲村珠樹撮影)。

 しかし、宇都宮陸軍航空廠線は軍用線であったため、終戦にともなって1945(昭和20)年11月1日には廃止されます。その後、1950(昭和25)年にレールが撤去されると、廃線跡は道路(清原学園通り)に転用されました。ただ、終戦から78年が経過した2023年現在も鐺山駅があった場所には、柱の基礎が並ぶホーム跡が残っており、わずか3年で廃止された路線の記憶を今に伝えています。

 終戦後、開拓農地となっていた飛行場跡は1970年代に工業団地の造成が始まり、現在の清原工業団地となりました。今ではすっかり様変わりしていますが、前述したように掩体壕や専用駅の遺構は残っています。ここに軍用飛行場や軍用線があった事実は、歴史に埋没させることなく後世に伝えていきたいと、実際に足を運ぶことで改めて感じました。

【了】

【壊されずによくぞ残った!】爆撃機用の大型掩体壕&軍用線の専用駅跡(写真)

Writer:

ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。

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