「近づくと肌焼けるぞ!」74式戦車の砲塔の「巨大な箱」の正体 教育では厳重に注意喚起

間もなく完全退役する予定の74式戦車には90式戦車や10式戦車にはない装備がいくつも見られます。そのひとつが砲塔側面の大きな「箱」。これはどのような役割を担っているのでしょうか。

74式戦車とともに消えゆく旧式装置

 74式戦車のような赤外線を照射するタイプの暗視装置は「アクティブ式」と呼ばれ、第2次世界大戦末期から1960年代後半までの戦車で用いられてきました。しかし、この方式はあくまでも敵が赤外線暗視装置を持っていないことが前提です。もし仮に、敵も同じようなアクティブ式の暗視装置を持っていた場合、敵は赤外線を照射せずに、こちらの照射位置を認識できてしまう欠点を含有しています。

 こうした問題から、アクティブ式の赤外線暗視装置に代わって主流になったのが、エンジン排熱や人の体温など、目標が発する僅かな赤外線を増幅して映像化するタイプの赤外線暗視装置です。このタイプは自ら赤外線を照射するわけではないため、「パッシブ式」と呼ばれます。

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2022年12月の今津駐屯地記念行事で撮影した2両の74式戦車。右手前の車体には投光器が装備されていない(柘植優介撮影)。

 ほかにも、星や月などの微かな明かりを増幅して映像化する「スターライトスコープ」と呼ばれる微光増幅式の暗視装置も登場したことで、90式戦車や10式戦車などでは74式戦車のような大型の投光器は装備しなくなりました。よって、74式戦車が全車退役すると、このようなアクティブ式の暗視装置は陸上自衛隊の戦闘車両から姿を消すと思われます。

 なお、74式戦車でも全車がこのような大型の投光器を装備しないのは、前述のとおり、数両の内の1両が赤外線を投光すれば、その反射でほかの車両も目標を捉えられるからだそう。そのため砲塔に投光器を装備していない車両でも、受像部は搭載しています。

 前述したように、2023年度いっぱいで完全退役する予定の74式戦車。ファイナルイヤーということで、この後も各地の駐屯地記念行事などで披露が予定されています。タイミングが合えば、投光器有り無し両方の車体を見比べることができるかもしれません。

【了】

【電源はどこから取ってる?】案外デカい! 74式戦車の投光器コネクタ(写真)

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