『SPY×FAMILY』新OPで登場“双頭の珍飛行機”は実在!? 「2つの機体くっつけよう」と思ったワケ

ふたりで長時間飛行の負担を減らす

 通常、爆撃機の護衛任務などに着く場合、戦闘機のパイロットはひとりで長時間の飛行をした後、さらに敵地で友軍機の護衛をしなければなりません。当然ですが、任務につくパイロットの負担はかなりのものです。

 そのため、ふたつの航空機を合体させ、もうひとりパイロットを搭乗させることで、その負担を軽減させようと開発されたのが「ツインマスタング」でした。P-51「マスタング」という既存機体の部品を流用することで、開発期間やコストの軽減も考えられていました。

 ただ、さすがに単純にふたつの機体を繋げるというわけにはいかず、機体後部や垂直尾翼などは大幅に改修されました。さらに、エンジンも左右で回転方向を逆にしており、設計はほとんどやり直しに近かったそうです。

 しかし、同機を投入予定だった第二次世界大戦は、日本が降伏したことで終了してしまい、生産機のほとんどがキャンセルとなってしまいます。ところがB-29の後継機であるB-36が登場すると、通常の単発機より長距離を飛べる「ツインマスタング」が再評価され、生産が再開されることになり、日本にもアメリカ軍が配備したことがあります。

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レーダードームを搭載した夜間戦闘機型(画像:アメリカ空軍)。

 さらに朝鮮戦争では、主要中央にレーダードームを設置した、夜間戦闘機型が投入され、当時のジェット機では難しかった長距離戦闘や夜間での戦闘に使われることになりました。

 ちなみに、『SPY×FAMILY Season2』のOP機体は尾翼の形状こそ違いますが、機首の液冷エンジン周りの形状や、バブル型のキャノピーなどが「ツインマスタング」によく似ています。

【了】

【でけー!!!】現在進行形で研究中の双頭機=世界最大の飛行機「ストラトローンチ」(画像)

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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