唯一の寝台特急「サンライズ」混んでる?空いてる? 乗って確認 プラチナチケットといわれるのは

人気列車として存続するために…

 大阪駅発車時の乗車率は、「サンライズ瀬戸」が67%、「サンライズ出雲」が84%です。「出雲」も岡山駅では空席がありましたので、姫路駅、三ノ宮駅からの乗車があったのでしょう。最も乗っていないとされる冬の平日上り列車でこの乗車率ですから、「サンライズ瀬戸・出雲」は人気列車といってもよいのではないでしょうか。

 JR西日本の株主総会では、「長く走らせたい」「人気が続くなら車両更新も考えたい」との経営陣の回答があったとも伝えられますが、存続のためには、運輸収入をJR4社で分けた時、末端区間となる東日本と四国でも利益をもたらすビジネスモデルが必要と感じます。『JR時刻表』で何度も表紙を飾り、知名度はJR定期特急でも屈指ですから、「関わったJR各社が制約なしにグッズを出せる」といった試みは面白いかもしれません。

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ラウンジ(安藤昌季撮影)。

 もし新型車両が登場するなら、たとえば「A個室寝台でケータリングの食事サービスを提供し、提供される料理を駅ナカや鉄道博物館でも販売する(末端のJR東日本や四国が手がけた商品が主力)」とか、「列車内で提供されるアメニティや浴衣、イラスト付タオルなどをブランド化し、駅ナカで販売する」といった手法で収益を上げることも考えられます。

 銚子電鉄は鉄道の売り上げではなく「濡れ煎餅」の売り上げで存続しているといわれます。単体では儲からない寝台特急も、抜群の知名度を活かし鉄道外で商売すれば、トータルで存在意義を高められると思う次第です。

【了】

【売り切れ続出!】これが人気設備「シャワー室」です(写真)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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