カタチ全く国産と違う! 日本最長の路面電車の秘蔵「外国電車」たちを実見 どうやって維持してる?

塗装は母国の時のまま

 裾がイルカの口のように見える車両は198形です。1939(昭和14)年製で、ノルウェーのオスロ市電B形電車として走っていました。流線型の車体形状をしており、現地では「金魚電車(ゴールドフィッシュ)」という愛称で親しまれていました。1985(昭和60)年まで現役で、引退後に土佐電気鉄道(現・とさでん交通)の開業85周年記念事業として譲渡されたのです。

 原型ではループ路線用だったので、運転台は片側のみでしたが、とさでん交通へ来るにあたり両運転台とし、車体幅も20cm狭くするなど改造が加えられました。ただし塗装はオスロ市電時代のものです。

 ノルウェーを感じさせる部分は、デッキが付いていることや、側窓に横引きカーテンがあること。1+2列の集団離反式クロスシートですが、着座感はゆったりで、路面電車の座席とは思えません。天井にはノルウェーの地図や、ノルウェー語の詩も描かれています。

 下半分が深緑色の車両は、オーストリアのグラーツ市電で走っていた320形です。1949(昭和24)年製で50両が製造され、1989(平成元)年まで活躍しました。レールブレーキの採用などで、それまでの車両と比較して安全性が高まっています。

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320形。もともとはオーストリアのグラーツ市電で使われた。側窓はハンドルを回して開閉する(2023年12月、安藤昌季撮影)。

 原型では1+1列のクロスシート車ですが、1992(平成3)年のとさでん交通導入時にロングシート化されています。また、もともとは「204号」でしたが、3月20日に当時の土佐電気鉄道とグラーツ市電が兄弟会社になったことを記念して「320形」となっています。

 内装の特徴は、非常に大きな側窓と、豪華な横引きカーテンです。窓は豪華列車「オリエント急行」のように、ハンドルを回して開閉します。天井にはオーストリアの地図も描かれています。

【マジで逆だ!】外国電車のブレーキハンドル(写真)

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