「ゴジラを倒せそうな」旧日本軍の兵器、どんなものが? 戦闘機、戦艦…“究極兵器”ならば? 検証してみた

大型機用の超強力な爆弾なら

 艦上攻撃機「天山」あるいは「流星」で、大型爆弾による水平爆撃を行うのも効果がありそうです。これら機体であれば、前出の二式五〇番通常爆弾より大きな、二式八〇番五号爆弾を使用することが可能です。

 二式八〇番五号爆弾は、重量811.2kg、炸薬量は貫通力を重視した徹甲爆弾なので少なく、34.4kg。高度4000mから投下した場合、戦艦の150mm水平装甲を貫通する威力があり、空母や巡洋艦なら、艦底まで貫通するほど強力でした。

 同じ八〇番でも陸用爆弾は炸薬量384kgですから、命中時の威力は大きいです。表皮を貫通できるなら徹甲爆弾、できないなら陸用爆弾での攻撃となるでしょう。

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旧日本海軍の重巡洋艦「高雄」(画像:アメリカ海軍)。

 また旧海軍最強の爆弾が「三式一五〇番五号爆弾」です。これも徹甲爆弾で、重量は大和型戦艦の主砲徹甲弾(1460kg。炸薬量33.85kg)を上回る1498.6kg。炸薬量496.2kgとケタ違いの威力がありました。高速での落下に弾体が耐えられない欠点から、大量生産はされませんでしたが、対空火力の少ない「ゴジラ」であれば、比較的落ち着いて低速で爆撃できるでしょうから、最も効果がある兵器と言えそうです。

 ただ、この爆弾は大きすぎるため、大型爆撃機「連山」や「二式大型飛行艇」、最低でも一式陸上攻撃機か、陸上爆撃機「銀河」でなければ搭載できなかったと思われます。なかでも「連山」は、これら機種のなかで最も搭載量に優れていたため、「ゴジラ」攻撃の任務には最適だったでしょう。

 次に戦艦。これについては大和型戦艦の46cm45口径砲が最強です。なお徹甲弾ではなく、砲弾重量1360kg、炸薬量61.7kgの零式通常弾を使うという手もありますが、貫通を見込めるなら徹甲弾の方が効果的だと筆者(安藤昌季:乗りものライター)は考えます。

 劇中では巡洋艦「高雄」の20.3cm砲でそこそこ効果が見込めたため、長門型の41cm45口径砲や、金剛型・伊勢型・扶桑型などの35.6cm45口径砲でも、複数艦で集中射撃を加えれば、かなりの効果がありそうです。

【幻の旧海軍機】これが大型爆撃機「連山」のコックピットです(写真)

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