空母は「厚いほどスゴイ」? 時代のあだ花「装甲空母」いろいろムリがあったワケ

空母は可燃物である弾薬庫や燃料庫を持つ関係で、大型空母でも被弾に弱いのが難点でした。それを解消するのが飛行甲板を厚くした「装甲空母」です。ほぼ第二次世界大戦時だけ活躍したこの艦種を振り返ってみましょう。

日本も建造した

「イラストリアス」の方が排水量では大きいのに搭載機数が減っています。これは、高い位置にある飛行甲板を装甲化すると重心が上がり転覆しやすくなるため、「アーク・ロイヤル」で2段あった格納庫を1段に減らしたからです。

 この搭載機数減少が問題となり、第二次世界大戦勃発を受けて艦形を拡大した「インプラカブル」級では最大81機(露天駐機込みで機種制限あり)、格納庫面積3825平方メートルまで増えていますが、2段格納庫に戻した影響で、同時に基準排水量も2万7000tにまで増えています。軍縮条約が有効な時期において、排水量増大は認められず、装甲を施すデメリットは大きかったわけです。

 旧日本海軍が装甲空母を検討したのも、無条約時代になってからです。1938(昭和13)年8月に設計された基本計画番号G12は、防御力が問題視された「翔鶴」型空母に飛行甲板装甲を追加した艦型でした。この時期の日本では、飛行甲板に数十mm程度の対爆弾防御を備えた空母が主流となり、さらに100mm以上の重装甲飛行甲板を備えた重防御空母が次世代の主流になると考えていたのです。このG12が発展し、「大鳳」型空母となります。

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旧日本海軍の空母「大鳳」(画像:アメリカ海軍)。

 2隻のスペックを比較しましょう。「翔鶴」の基準排水量は2万5675t、搭載機数は77機(マリアナ沖海戦前)、格納庫面積は5545平方メートル。飛行甲板装甲はありません。一方の「大鳳」は基準排水量が2万9300t、搭載機数が59機(マリアナ沖海戦前)、格納庫面積5250平方メートル。飛行甲板装甲は75+20mmです。

「大鳳」は排水量が大きいだけに、「翔鶴」と同じ2段式格納庫を備えていますが、飛行甲板装甲が150m×18mの範囲に限定されたため、その下にある格納庫形状が悪く、搭載機数は同一条件だと常用で10機、補用で17機程度少なかったともいわれます。ただ露天駐機で12機搭載できるので、問題はないとされていました。搭載機数が多くても、飛行甲板に並べられる機数しか同時発進できず、先制攻撃時の戦力としては大差ないこともあるからでしょう。

【写真】デカい! 日本が最後に建造した装甲空母

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