「あれ、爆弾…?」戦闘機につり下がる“それっぽい物体”の正体 実は空戦を変えた重要アイテム!? 注目した日本人とは

ボディと一体型のタンクも登場していく

 戦後のジェット機時代になると、空戦の範囲が広がったことに加え、燃料消費が激しくなったこともあり、増槽は重要な装備として大型、大容量化していくことになります。なお、日本を例にすると、大戦時の零戦二一型の増槽の容量は約330リットル、これが2024年現在、航空自衛隊が運用しているF-15の増槽になると約2300リットルにまで増えます。

 ジェット機時代の増槽は、翼の下や胴体に多数取り付けられた、ミサイルや爆弾を吊り下げる「ハードポイント」に搭載されるようになります。プロペラ機よりもはるかに高速の出るジェット機の飛行を、大型化した増槽が阻害しないように、空力などもプロペラ機のとき以上に考えられるようになり、両端が尖った円筒形状あるいは紡錘形とし、さらに小さな翼までつけられたため、一見すると爆弾やミサイルのように見える形状になりました。

 ただ、ジェット戦闘機の登場後、空戦の手段は機銃より空対空ミサイルの方が重要になりました。すると、本来ミサイルを搭載できるハードポイントを燃料タンクが占有することになり、それはそれで不便でした。

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矢印部分のボディと一体型になっているのが「コンフォーマル・フューエル・タンク」。ただ落下式増槽の様に飛行中には切り離せない(画像:イスラエル空軍)。

 その問題を解決するため、落下式の増槽にかわり「コンフォーマル・フューエル・タンク」という機体胴体部に沿って取り付け可能な増槽も登場しています。また、そもそも空中で給油してしまえば問題ないと、空中給油機も発展していくことになります。

【了】

【ウソ、使えるの!?】これが紙を素材にした燃料タンクです(写真)

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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