京成電鉄=最初は「手で押していた」!? 意外な“最古の路線”に残る「人車」の面影 今もある!

京成金町線はたった2.5kmの長さしかなく、葛飾区内で完結しているローカル線ですが、実は京成電鉄で最も古い路線です。しかも本線などで電車が走り出す以前に、手押し車で旅客を運んでいたそうです。

「ものども集え!」縁日こそ決戦日

 東京都葛飾区内の京成高砂駅と京成金町駅を結ぶ京成電鉄の金町線。他路線に乗り入れることなく、単線の線路を4両編成のワンマン電車が往復するわずか2.5kmの路線ですが、実は京成最古の営業路線でもあります。そのはじまりは「人車」によるものでした。

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京成金町駅で発車を待つ3500形電車(咲村珠樹撮影)。

 京成金町線の前身になったのは、金町駅前と柴又帝釈天(経栄山題経寺)の門前を結んでいた「帝釈人車軌道」です。映画『男はつらいよ』で全国的に知られるようになった柴又帝釈天は江戸時代から信仰を集めていましたが、1897(明治30)年の日本鉄道土浦線(現在のJR常磐線)金町駅開業を受け、参拝者の便を図るために駅と門前とを結ぶ新しい道(現在の柴又街道)とともに鉄道敷設が計画され、1899(明治32)年12月に開業しています。

 耳慣れない「人車」という言葉ですが、トロッコに似た小さな客車を後ろから人が押して進む鉄道のことです。帝釈人車軌道では6人乗りと10人乗りの車両を保有し、線路はレール幅(軌間)610mmの複線で、両端は折り返しの際にポイントを必要としないよう、グルリと周回して往復が可能なループ線になっていました。

 普段は利用客が100人にも満たないほど少なく、車両を押す「押夫」は4人で事足りていたそうですが、60日ごとに訪れる柴又帝釈天の縁日(庚申の日)は参拝客が激増し、臨時に120人前後の押夫を採用して1万人を超す利用客をさばいていたのだとか。年間6日程度しかない庚申の縁日だけで、年間の旅客収入の約6割を稼いでいたといいますから、その営業実態が推測できます。

【あった!!】よく見れば見つかる「人車軌道」のおもかげ(写真で見る)

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