線路見れば一目瞭然? 日本の鉄道が「災害に弱い」残念な理由 1か所不通で“どうにもできなくなる”ギチギチ思想

災害の激甚化で鉄道が不通になり、物流へ大きな支障が生じるケースが相次いでいます。海外では複数のルートから代替路を選択し、物流を止めない思想がありますが、日本は真逆とも言える状況。その思想は線路にも見て取れます。

幹線にお金をかける日本 代替路は…無いの!?

 日本では豪雨が来ると土砂災害が起き、線区が不通になり貨物列車が長期間運行できなくなるケースが、ここ10年間で6回も発生しています。平地が少ない日本の鉄道は、斜面を切り拓いて造られているので土砂災害が多いのは仕方がないのかもしれませんが、大量輸送機関である貨物列車が長期間運休してしまうのは経済活動へのダメージです。なぜ、このような事が繰り返されるのでしょうか。

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災害により貨物列車が通る幹線が不通となるケースが相次いでいる。写真はイメージ(画像:写真AC)。

 道路が不通になると、他の道路に迂回します。このように代わりのルートや能力に余裕があることを「冗長性がある」と言います。

 日本の鉄道は幹線が重点的に強化され、亜幹線(幹線とローカル線の中間的な路線)には投資が回らず、電化されていなかったり重い機関車が入れなかったりします。貨物列車を迂回させるには機関車を別に用意したり、重さや長さの制限から編成を縮めたりしなければなりません。線路はあっても迂回は困難で冗長性が無いのです。

 そして日本では、1本の路線をアクロバティックなほど目一杯に使います。そのため信号と信号の間(閉塞区間)も詰めて高額な信号装置も多数装備します。また、ドア1枚が故障しただけで全線麻痺するといったことも起きてしまうので、車両も設備も頑丈にし、メンテナンスにもお金と人手をかけて故障を減らしています。

 こうして信頼性を高めても、災害などで路線が不通になると全線麻痺に陥ります。高密度輸送ゆえに、トラックでの代走は台数が多く必要となり輸送が破綻します。信頼性を上げても、冗長性が無ければ破綻は繰り返されるのです。

物流を止めない思想の欧州

 国の大量輸送・ロジスティックスが止まれば戦争には勝てません。そのため戦乱が続いた欧州では、敵の攻撃に備え、外乱による不通はあるものだとして鉄道の冗長性を重視しているようです。

 たとえば複線区間ではどちらの線も両方向に走ることができ、どちらか片方が生き残れば運行を継続できます。たとえ信号設備が複雑・高価になっても、冗長性を確保すべしという思想が現れています。

 もう一つ、日本と欧州の発想の違いは、路線どうしが交わる「分岐点」にも顕著に表れています。

【え…廃線!?】鉄道の分岐点「Δ線」をやめてしまった場所(航空写真)

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