線路見れば一目瞭然? 日本の鉄道が「災害に弱い」残念な理由 1か所不通で“どうにもできなくなる”ギチギチ思想

災害の激甚化で鉄道が不通になり、物流へ大きな支障が生じるケースが相次いでいます。海外では複数のルートから代替路を選択し、物流を止めない思想がありますが、日本は真逆とも言える状況。その思想は線路にも見て取れます。

日本の鉄道の「分岐点」=後戻りできないただの「分かれ道」

 欧米・中国・ロシアなどの鉄道配線を見ると、鉄道路線が「Δ(デルタ)」型に分岐していることに気づきます。日本でも高速道路のジャンクションはΔ型です。路線を梯子状や網状に作りΔで結ぶと、路線の一部が不通になっても方向転換せずに迂回でき、冗長性が確保され、ロジスティックスを止めずに済みます。

 日本の鉄道では、複線は例外を除き左側通行のみですし、武蔵野線や大阪の貨物線などにΔ分岐はありますが、山陰本線の梅小路Δ分岐(京都)が撤去されたように、貨物列車が通らなくなるとすぐに線路を剥がし、「Y」字型の分岐にします。分岐器には税金もかかりますし、保守にもお金がかかるので、使わない短絡線はすぐに撤去するのでしょうが、冗長性を重視しているとは思えない状況です。

 また、インフラの捉え方も異なります。欧州では数百年間に渡りインフラを積み上げていく考えのため、将来に向けた拡張性や余裕を持たせて設計します。日本では災害が多いためか、木造住宅のように、その都度余裕の無いスペックで作り、壊れたり時代に合わなくなったりしたら建て替えるという思想的な違いもありそうです。

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道路と鉄道のΔ分岐が並ぶ千葉・市川の湾岸。左が高谷JCT(外環道・東関東道・首都高)、右がJR武蔵野・京葉線のΔ分岐(画像:Google earth)。

冗長性はメンテナンスの「効率化」につながる!

 欧米では冗長性を活かし、線路のメンテナンスは列車を別線に迂回させ日中に行います。一方、日本では終電から始発までの深夜作業となり、1回の作業時間が短く工期もコストも嵩みますし人員の確保も厳しくなります。

 さらに欧州では、主に河川や運河を活用する内陸水運と鉄道を接続し、冗長性を高めています。コンテナであれば積替時間が短く済むため、このようなことも可能になりました。欧州の河川・運河を運航する艀(はしけ)は日本の内航船並みに大きく、ドイツのcontargo社では艀・鉄道・トラックを組み合わせ、6か国間の輸送を柔軟に担っています。

 オランダのデルフト工科大学では、輸送時間がかかっても良いコンテナは艀で安く運び、急ぐコンテナは鉄道で運ぶなど、コスト・環境面で最適な輸送手段を選択する「シンクロモーダリティ」が研究されています。平時は最適なルートに振り分けて運び、輸送経路が1つダメになると即座に生き残った経路へ振り分けるわけです。

 これは、輸送の最適化と冗長性確保に加え、トラック輸送の増加を抑えるので、環境問題・人員不足問題の改善にも効果が期待されています。

【え…廃線!?】鉄道の分岐点「Δ線」をやめてしまった場所(航空写真)

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