電車かと思ったら「売店」じゃないか 全国“車両型”の鉄道施設が振り切ってる! なぜその車両が?
キハの中で「えきそば」をすする
●JR姫路駅「キハ58系えきそば屋」(兵庫県)
5・6番線にある立ち食いそば屋の店舗が2019年にリニューアルされ、国鉄急行形気動車「キハ58系」の形をしています。ここで提供されるまねき食品の「えきそば」は、和風だしと中華麺の組み合わせで、姫路駅の名物でもあります。
JR播但線で活躍したキハ58系の姿がモチーフとのことで、その理由は「かつてえきそばは、列車内に持ち込めるよう蓋付き容器で販売されており、その時代らしいデザインとした」のだとか。急行形気動車の丸いヘッドマークが塗装で再現され、「まねき」と書かれているなど芸が細かいつくりとなっています。
筆者が実見したのは以上ですが、各地には鉄道車両を模した施設が存在します。
・旧型電車内装の待合室(笠上黒生駅:銚子電気鉄道)
・旧型客車型待合室(沼田駅と渋川駅:JR上越線)
・展望車を模したレストラン「ステーション レストラン ザ セントラル」(JR東京駅)
・クモユニ74001形郵便ポスト(JR品川駅)
・8900形電車形自動販売機スペース(北習志野駅と鎌ヶ谷大仏駅:新京成電鉄)
・レトロ電車デハ101型待合室(大胡駅:上毛電気鉄道)
・6000系電車コンビニ(板宿駅:山陽電気鉄道)
博物館やドライブインを取り上げるともっとありますから、一般にも鉄道文化が認知・愛好されている証といえるのかもしれません。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
コメント