日本唯一!? ガタゴトじゃなくて「ゴロゴロゴローー!!」と走る地下鉄が独特すぎる! 「熊でも乗せるのか」から半世紀
シェルターにまつわる苦労
いざ発車すると、小気味よい加速に小刻みな揺れ、そしてゴロゴロした走行音と、既存の鉄道とは違う乗車感です。なお静粛性については、ロングレールが増えた都市部の鉄道とは大差なく感じました。
5000形は試作車が1995(平成7)年登場とやや古い電車であり、2030年から新型電車が投入されることになっています。ただ、行先表示や車内表示がフルカラーLEDに換装されているなど近代化はなされており、車齢ほどの古さは感じません。
南平岸~真駒内間4.5kmの地上区間では、軌道がアルミ合金製のシェルターに覆われています。シェルターには採光窓がついており、外の景色もある程度見えます。車両に冷房はないので、夏になると採光窓が開くようです。
安全運行に貢献しているシェルターですが、周辺住居へのテレビやラジオの受信障害が発生するため、札幌市交通局がアンテナを設置しています。ほかにも雪下ろしを放置すると周辺道路に雪が落ちるため、深夜に雪下ろしをするなと、苦労もあるのだとか。
高架区間では、陸上自衛隊真駒内駐屯地に近い自衛隊前駅の風景が楽しく感じられました。ほかの駅が島式ホームなのに対して、自衛隊前駅は相対式ホームなので、ホームに立てば向かいのホームに停車する列車の足回りが見えますし、シェルターで覆われた軌道もよく見えます。ちなみに同駅の近くには札幌市交通資料館も設置されており、保存された札幌市電や地下鉄、バスなどを見ることもできます。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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