ブーム伸ばす謎のF-15「イーグル」!? 米空軍が進める戦闘機の汎用化 “中国との戦争”見据えてか

アメリカ空軍でF-15E「ストライクイーグル」多用途戦闘機化が推し進められています。なかでも注目すべきは空中給油機仕様。ただ、空中給油ポッドを付けた戦闘機は過去にもありました。それらと何が違うのでしょうか。

F/A-18の空中給油機仕様とは根本的に異なるワケ

 2024年現在、アメリカ空軍はF-15E「ストライクイーグル」戦闘爆撃機を空中給油機にも転用可能にするための装備を開発中です。

 戦闘機を空中給油機とする装備自体は新しいものではなく、通称「バディポッド」として世界各国で使用されています。たとえば、アメリカ海軍のF/A-18E/F「スーパーホーネット」も同様の装備を使用しています。

 既存のバディポッドはすべて「プローブアンドドローグ」方式を採用しています。この方式では、空中給油機が曳航する「ドローグ」に対し、燃料を受け取る側が「プローブ」を差し込んで接続します。ドローグ付きの燃料タンク(バディポッド)を外装することで、比較的簡単に空中給油機に改造できます。

 既存のバディポッドをアメリカ空軍の戦闘機に搭載することは難しくありませんが、アメリカ空軍の戦闘機は「プローブアンドドローグ」ではなく「フライングブーム」方式を採用しているため、そのままでは互換性がありません。そこで、アメリカ空軍は新たにフライングブーム方式のポッドを開発し、それをF-15Eに搭載できないか検討しているのです。

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アメリカ空軍のF-15E「ストライクイーグル」(画像:アメリカ空軍)。

 フライングブーム方式では、空中給油機が燃料を受け取る側のレセプタクルにブームを差し込んで接続しますが、ブーム操作員(ブーマー)が必要となるため、空中給油機は大型機に限られてきました。フライングブーム式バディポッドがこれまで存在しなかった理由は、このブーマーの問題を解決できなかったことが最大の要因です。

 しかし、近年のコンピューターやセンサー、ソフトウェアの改善により、ブーム操作を自動化する自動空中給油装置の性能が向上し、ブーマー問題の解決に目処が立ちました。

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