まだまだ走る?「国鉄最後の特急気動車」のいま 主力の座はすぐ奪われたが…38年現役のワケ

3つの「ものがたり列車」に抜擢

 なお、キハ185形は大馬力を生かし、トロッコ列車の牽引用としても使われました。こちらは現在でも「アンパンマントロッコ」「藍よしのがわトロッコ」として、内外装も変更されて活躍中です。

 2002(平成14)年には、キロハ186形が「ゆうゆうアンパンマンカー」に改造されています。アニメ『それいけ! アンパンマン』のプレイルームが備わるほか、グリーン席が設備そのままで普通車指定席となったので、こちらも「乗りトク」車両といえます。

 その後、キハ185系に訪れた最大の変化は、JR四国の看板観光列車「ものがたり列車」となったことです。

 2017(平成29)年に「四国まんなか千年ものがたり」へ投入され、3両編成のレストラン列車として人気を博します。続いて、2020年に2両が「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」用として改造され、レトロと近未来が融合した斬新な内外装のレストラン列車になりました。

 そして2022年、「伊予灘ものがたり」の2代目車両として3両が改造されました。車両1両が個室となった「フィオーレ・スイート」の連結など豪華な仕様であり、普通列車にも使える特急形気動車として登場した本系列としては、最大の変化を遂げた車両といえるでしょう。

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JR四国の観光列車「伊予灘ものがたり」2代目(安藤昌季撮影)。

 国鉄特急形として、装いを新たに最後まで特急として使用されるキハ185系の、末永い活躍を願う次第です。

【了】

【写真】超豪華なキハ185系の車内 なんと「1両まるまる」個室です!

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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