ローカル線が延伸で「こんなに変わるのを見せたい」ひたちなか海浜鉄道の社長へ延伸計画の詳細を聞いた! 2029年めざす

ひたちなか海浜鉄道には、終点の阿字ヶ浦駅から国営ひたち海浜公園方面へ延伸する計画があります。全国的に鉄道網が衰退する現状で、第三セクター鉄道が大きな投資をしてまで延伸に踏み切った理由を、同社の吉田千秋社長へ伺いました。

ローカル鉄道、経営は厳しいのでは…

 気になる新線の構造ですが、近隣の鹿島臨海鉄道のような単線非電化の高架橋となります。平成13年国土交通省令第151号の「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」第三十九条に「鉄道は、道路と平面交差してはならない」と規定があり、やむを得ない例外や国土交通省などが許可を得た場合を除き、新規路線は原則的に踏切を設置できません。

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延伸計画の第二工区は国営ひたち海浜公園西口ゲートの目の前に「新駅2」を建設予定。道路を隔てて大型商業施設が控えている立地となる。空撮写真に加筆(2021年2月、吉永陽一撮影)。

 そのため、建設費は嵩みますが延伸区間全体で高架橋と橋梁区間が1.6km、盛土と擁壁区間が0.9kmとなり、地平区間はわずか新駅部分の0.6kmとなります。

「湊線だけでなく日本のローカル線は赤字をなんとか縮小しながら経営していますが、第一期線1.4kmの延伸によって、会社がこんなに変わるんだ、ということを見せたいです」

 吉田社長はそう結びます。宅地化や企業誘致、季節によって増減する観光客の存在は、近隣の鉄道としては見逃せない増収チャンスです。最初は絵に描いた餅と思われたかもしれないローカル線の延伸計画も、計画段階から将来を見据えてしっかりと投資することで、投資以上のものが還元される。吉田社長は、この延伸が試金石になるはずだとにらんでいます。

 第二期線の「新駅2」はまだ仮の場所です。自動車安全運転センターの一部移動など、大掛かりな工事が控えているため、具体化はこれからとなります。延伸はまず第一期線の開業が始まりであり、この成功がその後の延伸と全国の鉄道の盛衰にかかっています。延伸工事が始まれば、全国の鉄道会社から湊線に注目が集まることでしょう。

【空撮】これが延伸ルートです

Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

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