都電の線路の「出土」なぜ相次ぐ? 舗装の下にまだまだ眠ってる!? 発見された遺構の「その後」

都電の遺構はほとんど姿を消しましたが、令和になって神田川に架かる2つの道路橋で併用軌道が発見されました。いずれも工事で舗装を剥がした際に日の目を見たのです。

「レール保存会」が立ち上がった

 溝付きレールは頭部分に溝が入り、車輪のフランジ側が細くせり上がってガイドの役目をする特殊構造で、車輪脱線防止の効果があります。溝付きレールはカーブ内側にあって、標準レールはカーブ外側と直線部に使用され、枕木は鉄製のアングル材をレールに固定した構造で、これは橋上の重量を軽減する目的がありました。レールは「1930年」の刻印があり、2代目橋の整備時に用意されたものとなります。

 戦時中に忘れ去られた軌道が令和の時代に現れたと、連日連夜ギャラリーが詰めかけるほど話題になり、貴重な産業遺産を保存できないかと「お茶の水橋都電レール保存会」までが発足。活動が実って一部のレールと敷石は数か所に保存され、日本大学理工学部船橋キャンパス内の「CSTミュージアム」にも展示されています。

 CSTミュージアムでは溝付きレールと標準レールが切断保存され、特に屋外の展示では併用軌道が2mほど復元されており、工事での路面カッターの痕跡もきれいに修正されています。敷石とレールの断面部も見せるユニークな展示方法となっており、レールと敷石がセメントで固定されている構造も観察できます。

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CSTミュージアムの屋外で展示されている錦町線遺構。1930年米国ローレン・スティール社製のレール。昭和初期はまだ輸入レールも多かったという(2024年10月、吉永陽一撮影)。

『鉄道工学大意』や『軌道敷舗装資料集』などの戦前の書物によると、都電の軌道舗装は数種類存在し、明治期より一般的だったのは「板石舗装」という大振りな敷石が横に並ぶ構造でした。その敷石は都電廃止後でも再利用され、例えば銀座の歩道に再利用されています。

 一方、お茶の水橋では異なる軌道舗装でした。その様子も復元され、軌道中心と外側は小ブロックの石が横に並び、レールを挟むようやや大きめの石が縦に並ぶ構造となっています。石の種類は稲田石を使用したとのことです。

 さて、もう1か所の都電遺構が2024年8月に発見されました。同じく神田川にかかる白鳥橋(文京区と新宿区)で、橋梁撤去のために舗装を剥がした際、39系統の複線併用軌道が現れたのです。場所は首都高速道路5号「池袋線」の直下でした。

もうひとつの都電遺構とは 現在は別場所にて保存(写真)

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