非電化なのに「電車が走る」 架線は“ほんのちょっと”だけ!? 関東の行き止まりJR線に乗ってみた
終点側の集電設備は?
続いて7時36分に仁井田駅着。かつては列車交換を行っており、構内は広めです。10人ほど下車しました。駅の周辺には江戸時代に宇都宮藩主が作らせた、市の堀用水が流れます。七福神は清廉度量の神である「布袋尊」です。
7時41分に鴻野山駅着。周辺に6~7世紀の台新田古墳群があり、不老長寿の神である七福神「福禄寿」が当てはめられています。
烏山線の中心駅である大金駅には7時49分の到着。ここで20人ほどが下車しました。列車交換も行われます。駅名にちなんだ大金神社が駅舎正面右側にありました。かつては有人駅で、「宝積寺~大金」の乗車券はよく売れたそうです。駅の七福神は商売繁盛の神「大黒天」です。
7時53分着の小塙駅は、「栃木の自然百選」に選ばれた荒川河岸段丘上にある駅です。駅の七福神には漁業の神「恵比寿神」が当てはめられています。
7時58分に滝駅に到着。駅の南側に高さ20m、幅65mの「龍門の滝」があり、付近には桜と滝を合わせた撮影スポットがあるようです。水神にして農業神である「弁財天」が当てはめられています。
8時2分、終点の烏山駅に到着。駅のごく一部だけに架線が設置され、到着次第、充電のためにパンタグラフが上がりました。立派な駅舎のある有人駅で、「みどりの窓口」機能を持つきっぷの自販機や、「だいすき! からせん」と書かれた烏山線のアピール看板もあります。駅の七福神は災いを退ける神「毘沙門天」でした。
パンタグラフを上げたEV-E301系は電車そのものですが、架線は車両1両分ほどの長さで、それ以外の部分は広く空が見えるのが、烏山駅の個性と感じました。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
コメント