通勤通学に空港 重責担う阪和線で続けられる改善、その成果は

通勤通学から都市間輸送、空港アクセスまで多様な任務を持ち、社会的な重要性も特に高いJR阪和線。しかし多くの列車が走っているため、運行管理は決して簡単ではありません。JR西日本はその信頼性をより高めるべく、様々な対策に乗り出しています。

どこでもできない折り返し運転

 天王寺~和歌山間の61.3kmを結ぶJR西日本の阪和線。大阪市と和歌山市を結ぶ列車のほか関西空港方面、南紀方面などへ様々な列車が走っており、平日は1日500本以上の列車が走行。平均10万人以上が利用しています。

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阪和線経由で関西空港と京都方面を結ぶ特急「はるか」(2014年5月、恵 知仁撮影)。

 日常生活からレジャー、そして空港アクセスという多様かつ重要な任務を負っている阪和線では、今回完了した踏切対策をはじめ、輸送品質を向上させる様々な取り組みが進められています。

 2013年には、1994(平成6)年の関西空港線開業に備えて導入された阪和線の運行管理システムを更新。操作性と応答性の向上によるダイヤ回復の早期化、駅の発車標や自動放送を充実化による乗客への案内品質向上などが図られました。阪和線ホームの発車標に「遅れ5分」などと表示されるようになったのは、このシステム更新によるものです。また合わせて駅員が列車の運行状況を随時確認できる機器を配備し、案内をレベルアップさせる試みも行われています。

 また鳳駅と東貝塚駅、熊取駅では列車の折り返し設備が強化されました。列車の折り返しはどこでも可能だと思うかもしれませんが、信号設備などの関係で、通常はそれに対応している場所でしか行うことができません。

 このように折り返し設備を強化することのメリットは、何かトラブルが発生した場合、柔軟に対応できることが挙げられます。

 たとえば鳳~熊取間で何らかのトラブルが発生。運転できなくなったとします。その際、鳳駅と熊取駅で折り返し運転が可能ならば、天王寺~鳳間、熊取~和歌山間で列車の運行を続けられるというわけです。

 具体的な強化の内容としては、鳳駅の場合、天王寺方面から来た列車が天王寺方面へ折り返すことは可能でしたが、和歌山方面から来た列車が和歌山方面へ折り返すことは不可能でした。そこでそれを可能にしたほか、天王寺方面への折り返しについても柔軟性が高められ、より多くの折り返し列車を運転できるよう改良されています。

 JR西日本はこうした阪和線の改良を「安全考動計画2017」で挙げており、「お客様にご迷惑をお掛けしないよう、引き続き輸送品質の向上を図っていきたい」としています。

【了】

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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