真夏はほぼ80度! なぜ車のダッシュボードは「黒」ばかりなのか? 白なら熱々にならないのに“しない”理由

夏の車内で触れないほど熱くなるダッシュボード。白っぽくすれば熱くなりにくいはずなのに、なぜか黒やグレーなど濃い色ばかりです。そこには、暑さと引き換えにしても守りたい“ある事情”がありました。

真夏は80度近くに! それでもダッシュボードが「濃い色」ばかりのワケ

 夏の車に乗り込んだ瞬間、ハンドルやダッシュボードが熱くて触れずに驚いた経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。

Large 20260728 01

拡大画像

ダッシュボードが濃い色だらけなのはなぜ?(画像:写真AC)

 実際、JAF(日本自動車連盟)のユーザーテストでは、気温35度の炎天下に窓を閉め切って駐車した場合、直射日光を浴びるダッシュボードは最高で79度に達したと報告されており、やけどしそうなほどの高温になることがわかります。

 色の濃いものが熱くなりやすいのは、よく知られた性質です。黒っぽい面は光を多く吸収して熱に変えるため、白っぽい面よりも温度が上がりやすくなります。

 だとすれば、ダッシュボードを白っぽくすれば、少しは涼しくできそうです。それなのに、市販車のダッシュボード上面は、黒やグレー、こげ茶といった濃い色ばかり。いったいなぜなのでしょうか。

 その大きな理由のひとつが、暑さよりも「前方の見やすさ」を優先していることです。

 カギを握るのが、ダッシュボードの表面が太陽光を反射し、フロントガラスに映り込む現象です。晴れた日に運転していて、ガラスの下のほうに内装がぼんやり映り、前が見づらくなったことはないでしょうか。

 フロントガラスが斜めに取り付けられている車内では、ダッシュボード上面で反射した光がガラスに映り込み、運転者の視野に入ることがあります。ここで色や表面の質感が効いてきます。

 明るい色や光沢のある面は反射が目立ちやすく、映り込みが強く出ると前方の視界を妨げてしまいます。反対に黒っぽい面やツヤを抑えた面は反射を防ぎ、クリアな視界を確保する役割を果たします。

 だからこそ、明るいベージュや白系の内装を選べる車でも、ダッシュボード上面やフロントガラス寄りの部分を黒や濃い色にして、映り込みを抑えようとする例が見られます。反射抑制をうたうダッシュボードマットや黒い布が使われるのも、同じ考え方です。

 つまり、ダッシュボード上面の色は単なる好みだけで決まっているわけではありません。見やすさ、映り込みの少なさ、汚れの目立ちにくさなどを考えると、濃い色や反射を抑えた表面が選ばれやすいのです。

【え、ツルッツル!?】実は黒じゃない!「自衛隊車両」のインパネ(写真で見る)

最新記事

コメント