渋谷駅「山手線ホームが丸見え!」 駅ビル解体で今だけの光景 これからどうなるの?
渋谷駅大規模再開発事業は、JR渋谷駅西口の旧東急東横店西館と南館の解体が進み、駅の再開発も大詰めとなっています。2024年の暮れ、その現場にはまるで“古代遺跡”のような光景が広がっています。
そんなところに山手線が!? 今だけの光景とは
2棟の解体は4年という長い年月をかけて行われています。2020年に閉館した東急東横店西館の解体は、銀座線の回送線路を生かしたまま、建物上部からスライスするように行われ、全体の撤去はほぼ終了しています。
この解体の過程で回送線路を北側へずらして仮線となり、2024年12月現在は山手線を跨ぐ既存橋梁の撤去と、線路を支えていた西館の基礎の撤去を行っています。空撮では、仮線が新たな支柱に支えられ、建物の撤去作業が進む様子を捉えました。
一方の東急東横店南館は4階部分までを残し、解体は外見上しばらくストップしているようでしたが、そのうちに西館との結合部分が撤去されました。夏頃には駅利用者の目にも分かるほど解体が進行しており、上空からの光景ではコンクリートの基礎がむき出しとなり、まるで消えゆく古代遺跡のように見えます。「渋谷フクラス」側からは今も山手線外回り電車が露出する光景が見られ、変わりゆく渋谷駅の限定的な姿となっています。
山手線の線路は駅の南側が盛土、国道246号を跨ぐ部分が橋梁、駅部分が高架橋区間という構成でしたが、2023年1月に山手線ホームが上下ひとつにまとめられ、高架橋部分は仮橋脚と軌道桁からなる構造となりました。山手線の直上には「渋谷スクランブルスクエア」中央棟が建設されるので、後に本橋脚とビルの基礎が完成すると仮橋脚は撤去されます。
東急東横店西館と南館の解体は2024年内の予定ですが、空から見る限り、翌年にもかかりそうな状況です。解体が終了すれば、「渋谷スクランブルスクエア」東棟に連結する形で中央棟と西棟が建設され、西館跡地にはハチ公前広場が、銀座線回送線の直上には空中回廊が整備されます。10年以上経過している渋谷駅大規模再開発事業は、いよいよ大詰めといったところです。
Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。
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