なぜ東海道新幹線は雪に弱いんですか?―― どうしても“遅れやすい”理由 雪以外にもあった
60年前には想定できなかったことがあります。
「氷塊」が厄介もの
2025年2月8日現在、全国的な大雪の影響で東海道新幹線はダイヤが乱れています。東北・北陸新幹線なども影響が出ていますが、他の新幹線と比べても東海道新幹線は雪が降ると遅れがちです。
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その理由を一言でいえば「速度を落とすから」です。
東海道新幹線の沿線において降雪が多いのは、滋賀県の米原地域周辺です。JR東海は、こういった区間を走行する場合は「雪の舞い上がりを防止する」ため、速度を落とすと説明します。
気温の低い降雪区間を新幹線が高速で通過すると、線路の雪が舞い上がり車体の床下に付着し、冷え固まって氷塊となります。そのまま走行し気温の高い区間へ到達すると、今度は氷塊が溶けて落下し線路のバラストを跳ね上げ、車体の床下を直撃します。床下には車両機器が搭載されているほか、線路には信号ケーブルやポイントなど地上設備もあるため、バラストがこれらを損傷する恐れがあるのです。
こうしたことを防ぐため、つまり安全のため速度を落とすわけです。速度が遅くなれば雪は舞い上がりにくくなり、被害の発生を抑えることができます。しかしそれでも付着してしまった氷塊は、駅停車時に係員が人力で除去作業を行っています。
ところで、豪雪地域を走る北陸新幹線や東北新幹線の東北エリアでは、東海道新幹線ほど雪による遅延は発生していません。なぜ東海道新幹線は雪による影響を受けやすいのでしょうか。
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