自衛隊ついに「トップガン」の世界へ!? 初の“艦載戦闘機”が誕生 フネで整備まで本当にできるのか、メーカーに聞いた

ついに海上自衛隊の護衛艦「かが」でステルス戦闘機F-35Bの運用試験が完了しました。今後、航空自衛隊において運用されるF-35Bに関して、気になるのは艦上運用の際の整備性です。これについて、製造企業に聞いてみました。

いよいよ自衛隊もF-35Bを運用する時代へ

 2024年12月15日、海上自衛隊の護衛艦「かが」が、約3か月にわたる「令和6年度インド太平洋方面派遣」を終え、母港である海上自衛隊呉基地へと帰港しました。

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護衛艦「かが」におけるF-35Bの運用試験(画像:海上自衛隊)。

「かが」は、ヘリコプターを複数同時運用できるいずも型護衛艦の2番艦として、2017(平成29)年に就役。基準排水量1万9500トン、全長248mをほこり、海上自衛隊では最大の戦闘艦艇です。

 太平洋方面の防空能力を強化するため、2018(平成30)年にはいずも型護衛艦を改修して、短距離発艦・垂直着陸(STOVL)が可能なステルス戦闘機であるF-35Bを運用することが決定され、2021年には「いずも」においてアメリカ海兵隊のF-35Bがはじめて発着艦を実施しました。

「かが」については、F-35Bの運用に必要な改修を施す「第1回特別改造工事」が2024年3月29日に完了。同年10月から11月にかけて、先述した令和6年度インド太平洋方面派遣の一環として、米カリフォルニア州サンディエゴ沖でF-35Bの艦上運用試験を実施しました。

 艦上運用試験は、10月5日からアメリカ海軍と海兵隊の支援を受けて実施。アメリカ海軍・第23航空試験評価飛行隊のF-35Bを用いて、主に短距離発艦や垂直着陸、艦上運用についての確認が行われました。

 今後、日本はF-35Bを42機導入し、航空自衛隊が運用を実施することになっています。自衛隊にとっては史上初めて海上自衛隊の護衛艦で運用を行う艦載戦闘機を導入することになります。まさに、映画『トップガン』の世界が自衛隊でも繰り広げられるのです。

 ただ、気になるのはスムーズな機体運用には欠かせない、艦艇における整備性です。そこで、筆者(稲葉義泰:軍事ライター)はF-35の開発および製造を担当しているアメリカのロッキード・マーチン社に取材を行いました。

【もはや“空母”じゃん!】護衛艦「かが」で行われたF-35B運用試験の様子(画像)

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