「つま先立ちでも弾けます」揺れる車内で演奏しすぎて得た“特異な能力”とは? 「世界一列車に乗っているバイオリニスト」が超人的だった

豪華観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」などに同乗し、揺れる車内で立ちながらバイオリンを奏でる大迫淳英さん。「揺れに一番強いバイオリニスト」は、もはや「超人的」と呼ぶべき境地に達しているようです。

途中から乗って演奏するのは「ちょっとおかしい」 最初から最後まで乗るワケ

 大迫さんは「ななつ星in九州」に続き、「ザ・ロイヤルエクスプレス」のクルーズでも参加者の旅程に同行しています。筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)は「行程途中のどこかの駅で列車に乗り込んで演奏し、終わったら下車する方法もあるのではないですか」と質問すると、大迫さんはこう振り返りました。

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ザ・ロイヤルエクスプレスの四国・瀬戸内クルーズに同行するバイオリニストの大迫淳英さん(大塚圭一郎撮影)。

「実はJR九州から『ななつ星in九州』での演奏のオーダーがあった時に、行程の途中で2~3時間乗ってもらおうかという提案を受けましたが、それはやめた方がいいって言ったのです」

 その理由を「お客様が主役なのに、そこに演奏者が乗ってきて、演奏を聞いてもらって帰ると、お客様以上のお客様になってしまう。それはちょっとおかしいと考えたためです」だと明かしました。

 大迫さんの信念は、参加者の心に響く音楽を届けるためには「お客様は毎回違い、雰囲気も毎回違うものになる。晴れの日も雨の日もある旅を共有した上で演奏を届ける必要がある」というもの。そこで、「ななつ星in九州」もあえて「全部乗せてくれるのだったら」という条件で引き受けたそうです。

 また、「ザ・ロイヤルエクスプレス」の車内で演奏する曲目は「お客様の顔を見て決めている」とか。「お客様の雰囲気、年齢も違い、求める音楽も違いますので、(同じダイニングカーの)5号車と6号車で曲目を変えることもあります」と話します。

 大迫さんはまた、参加者から弾いてほしい曲のリクエストも受け付けています。「こういう曲がお好みだなと理解できる」ため、どの曲を弾くかの手がかりになると解説しました。

【これが超人技!】揺れる車内で演奏する大迫さん(写真)

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