所要時間おなじ場合も!? 「特急列車vs高速バス」 東京‐安房鴨川で軍配はドッチに?

特急列車と高速バス。一般的には列車の方が速く、高速バスの方が安価と棲み分けされていますが、東京~安房鴨川間については所要時間に大差ありません。なぜなのか、乗り比べて検証してみました。

アクアライン開通でバスに追い風

 1997(平成9)年に開通した東京湾アクアラインの効果は大きく、「わかしお」は本数を減らし、高速バスと直接競合した内房線特急「さざなみ」は、2015(平成27)年より競合しない東京~君津間の通勤特急に変わったほどです。

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徐々に海が近くなってくる(2024年12月、安藤昌季撮影)

 筆者(安藤昌季:乗りものライター)は両者を2024年12月の土曜日に乗り比べました。まずは東京10時ちょうど発の特急「わかしお5号」から。京葉線の東京駅は、ほかの路線からは離れた場所に位置します。

「わかしお5号」は東京駅出発時で乗車率50%ほど。窓側がほぼ埋まっていました。E257系500番台の座席間隔は96cm、座席幅は49.5cmですが、肘掛けがあるので実質44cm。窓側肘掛け5cm、中間肘掛け7.2cm、背面テーブルは幅43.8cm、奥行き24.4cmです。

 座席は座面スライド式リクライニングシートで座り心地は良好ですが、枕はありません。コンセントは窓側に備わりますが、後付けのため配線が肘掛けと干渉し、通路側の方が快適です。座席背面に網袋とドリンクホルダーもあります。

 午前中の「わかしお」なので、筆者は直射日光が当たらないD席を予約しました。京葉線内の海側はA席ですが、そこだと直射日光が強く眩しいのです。

「わかしお5号」は10時24分、海浜幕張駅に停車。1号車から3人が降りました。乗車は1人だけでした。次の蘇我駅には10時33分に到着。ここでの下車客はわずかで、逆に20人以上が乗車してきました。

 10時46分着の大網駅では乗降ともにわずか。この辺りから田園風景が増え、そしてD席側が海側となって、直射日光も差し始めます。

 茂原駅着は10時54分。1号車だけで15人が降りました。11時2分、上総一ノ宮駅に到着。乗降はわずかでした。ここでは3分停車したのでその間に車内を回ると、5両編成に120人強が乗車していたので、盛況といえるでしょう。11時16分着の大原駅では、休止中のいすみ鉄道の気動車が見えました。ここでは10人ほどが下車しました。

「わかしお」に肉薄する高速バス車内を見る(写真)

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