所要時間おなじ場合も!? 「特急列車vs高速バス」 東京‐安房鴨川で軍配はドッチに?
特急列車と高速バス。一般的には列車の方が速く、高速バスの方が安価と棲み分けされていますが、東京~安房鴨川間については所要時間に大差ありません。なぜなのか、乗り比べて検証してみました。
復路は「アクシー」に乗車
窓から見える景色からは、リゾートマンションやヤシの木が目立つようになり、時折海も見えるようになりました。11時31分着の勝浦駅では20人、11時51分着の安房小湊駅では10人ほどが下車。列車は単線区間を進み、終点の安房鴨川駅には2分遅れの12時1分に着きました。
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早速、東京駅を出て安房鴨川に12時35分着の日東交通バス「アクシー」を見に行きます。鴨川シーワールド、亀田病院へ向かう便のためか、20人が下車し、10人ほどが継続乗車していました。
筆者は安房鴨川駅16時13分発の京成バスに乗車します。PASMOなどの交通系ICカードに対応しており、乗車はスムーズ。こまめな乗車があり、所定16時49分着の久留里駅前の時点で3分遅れ、25人の乗車でした。
高速道路に入るのは木更津からで、そこまでは下道です。40km/h制限の山道もあるので、速度は出ません。座席は2+2列配置で、1人あたりの座席幅は43cm。肘掛け幅は進行方向左側の席が4cm、右側の席が8.5cmです。右側は補助椅子があるのでやや広くなっています。窓側には肘掛けはなく、座席は鉄道の方が快適です。ちなみに、トイレは車内に設置されています。
停車したのは、17時20分(1分遅れ)の暁星国際学園前で、学生3人を含む5人が乗車しました。周囲の道は街灯がなく真っ暗でした。
17時41分(3分遅れ)に着いた袖ケ浦バスターミナルでは、5人が乗車し1人が下車しました。ちなみに、安房鴨川~袖ケ浦間は下車不可で、区間利用はできません。
17時45分、袖ケ浦インターから高速道路に入り、そのまま東京湾アクアラインを通過しましたが、渋滞のため、バスターミナル東京八重洲へ到着したのは24分遅れの19時7分でした。バスターミナルは地下にあり東京駅からはやや離れているため、JRのホームへ向かうには20分ほどかかるでしょう。
「わかしお」を使うか「アクシー」を使うか。東京~安房鴨川間の移動ならば、運賃と渋滞のストレスとを天秤にかけて決めることになりそうです。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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