片道運行! 日本屈指の長距離特急に乗ってみた 4時間22分「島内で完結」

面積では日本の5%ほどの四国地方。しかし、在来線特急でも屈指の長距離特急が1本だけ設定されています。宿毛~高松間を結ぶ「しまんと8号」です。どんな利用をされているのか、なぜ設定されているのか、実際に乗車してみました。

4時間超え特急、乗り通したのは何人?

 20時29分着の高知駅では5分停車。16人の乗客のうち8人が下車し、6人が乗車しました。高松方面への最終特急でもあるのですが、思ったほど動きはありませんでした。

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高知駅。「しまんと8号」が高松方面への最終特急(2025年2月、安藤昌季撮影)

 20時41分着の後免駅で、旭駅からの学生が下車しました。わずか14kmですが、「25km以内の特急自由席は450円」という特定特急料金、もしくは特急用定期券「快てーき」の利用者なのでしょう。

 土佐山田、大杉、大歩危の各駅では乗降ゼロ。ふと指定席の乗客が、「坂出駅でマリンライナーに乗り換えられるのか」と車掌に聞いていました。「しまんと8号」の坂出駅到着は22時32分、岡山行き「マリンライナー70号」の発車は22時45分です。最終列車どうしの乗り継ぎで不安があるのでしょうが、車掌は「大丈夫です」と伝えていました。

 21時41分、三縄駅で運転停車。運転停車とはドアが開かずに停車することです。ここでは高知行き特急「南風25号」と行き違うため。22時前ですが、「南風25号」の乗車率は30%ほどで、本州からの需要の高さを感じました。

 阿波池田駅での乗降はゼロ。琴平駅で1人が乗車し、善通寺、多度津の各駅で1人が下車しました。

 22時26分着の丸亀駅では2人が乗車。丸亀~高松間は28.5kmあり、特急料金は自由席でも760円ですから、坂出駅までの「快てーき」の利用者なのでしょう。坂出駅では5人が下車しました。

 いよいよ次は終点です。エンジン音が高くなり、スマートフォンのアプリで速度を測ると120km/hでした。ラストスパートを全力で走ります。22時46分、高松駅着。下車は15人でした。宿毛駅から4時間22分、乗り通したのは見落としがなければ4人。多くが指定席の乗客でした。

 2025年2月時点で、高知~中村間では1往復だけグリーン車を連結した編成が使われていますが、「しまんと1・8号」にその編成があればよいと筆者は思いました。四国内で完結するとはいえ、乗りごたえのある列車旅でした。

日本一レアかも たった2両だけの特急車両(写真)

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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